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聚周、瑠璃香に惹かれる

貧しい孤児だった聚周は、羌華の妻 薫衣に育てられ、なんとかして術師としての修行を続けていくが、彼の前に現れたのは、これからも、魅了してやまない瑠璃香だった。

瑠璃香と聚周の出逢いは、10年以上の前の事だった。当時、聚周は、駆け出しの術師で、師匠の羌華に仕え、郊外にある屋敷を訪れた時、遠目に瑠璃香の姿を認め、目を張った。何人もいる中で、細い姿の瑠璃香は光り輝いていた。しばらく動けないでいる聚周に羌華の今は、亡き妻、薫衣は、笑いながら声をかけた。

「どうしたの。聚周。彼は、あれでも、羌華にも、負けない術師なのよ。若くて才能溢れて。。でも、あなたもすぐそうなるわ」

ふと、遠くの瑠璃香と目があったような気がした。聚周は、慌てて目を逸らした。それが、最初の出会いだった。それから、薫衣や羌華のお供で、瑠璃香のいる屋敷に赴くのが、楽しみになっていた。ある日は、外で花を愛でいる姿だったり、舞を舞っている姿だったり、年上と思われる瑠璃香に会えるのが楽しみだった。それが突然、瑠璃香と会う機会が無くなった。薫衣が、亡くなったのだ。誰かに殺害されたのだ。羌華は、人が変わったようになり、聚周の修行も厳しくなった。失敗を許さず、無理な要求も増えた。ある時、羌華に呼び出された聚周は、光州にある寒洞にある朱雀の剣を守るように、言いつけられた。向かった寒洞には、瑠璃香がいた。

「あなたは?」

初めて間近で目にする瑠璃香の姿に心躍った。男なのか、女なのか、性別を超えた美しさが、瑠璃香にはあった。声をかけられ、瑠璃香は、冷たい眼差しを向けた。

「お前は。。どこのものだ?」

覚えてくれていると思っていた。何回も顔を合わせていると思ったのに。聚周は、気を落とした。手の届かない人が覚えているはずがない。

「羌。。」

返事をしようとした、その時、瑠璃香は、何かを呟くとふわっと、乳香の香りがま舞い上がった。柔らかな光が広がり、香に惑わされたように瞬きをするとそこには、瑠璃香の姿は、なかった。

「待ってくれ」

声をあげても、そこに瑠璃香の姿はなかった。そして、あるはずだった、朱雀の剣も、どこを探しても見つからなかった。その頃である。瑠璃香の悪い噂を聞いたのh。薫衣を殺めたのは、瑠璃香である。術式に用いる漢薬の書簡を手に入れる為だったと。聚周は、最初、信じてはいなかった。会って確認したいと思っていた。だが、その思いは、打ち砕かれた。東の国。陽の元の国に、瑠璃香は、渡って行ったと。書簡を手に入れる為、手引きとなる香袋を探しに行ったと聞いて疑いは、確信へと変わっていった。


瑠璃香への感情は、憎しみだけなのか、執拗に、彼?を追いかけていきます。

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