7話 会合 その1
「う~ん、流石ですね……」
「そうかな? 普通のことだとは思うが」
「そうかもしれませんが……」
私としては考えられないことが起ころうとしている。王家が住まう宮殿に公爵家の二人……ハルベルト家の当主とフォルブース家の当主の二人を呼び寄せているのだ。
こんなことは私の家であるウォークルス侯爵家ではとても出来ない。クリンジ王家だからこそ可能なことだと言えると思う。
「王家の権力の高さを改めて思い知りました」
「まあ、この程度のことは出来なくては駄目だろう。いくら公爵家が大貴族とはいえ、王家の配下であることに変りはないのだからな」
「確かにそうかもしれませんね」
王子殿下や国王陛下に用事がある場合、大抵は貴族の方が出向くものね。例外はあるかもしれないけれど。
「リードフ・ハルベルト様とカルカロフ・フォルブース様が同時に訪れる……なかなか、緊張する事態ですね」
「何も緊張する必要はないさ。宮殿内は王家のテリトリーなのだからな。ネフィラには私が付いているだろう?」
「はい、セシル様。ありがとうございます」
「ああ……ネフィラを悲しませたことは絶対に許すつもりはない。二人にはしっかりと話を聞かないとな」
セシル様はそこまで深い意味で言ったわけではないのだろうけれど……私にとっては非常に嬉しく、顔を真っ赤にさせるのには十分過ぎる言葉だった。彼に見られるのはマズイので咄嗟に別の方向に視線を向ける。
「どうかしたのか、ネフィラ?」
「い、いえ……何でもありません……」
しばらく私はセシル様と目を合わすことが出来なかった……。
「失礼致します」
「ああ、入ってくれ」
私達の居る応接室に入って来たのは、宮殿内で働く使用人の一人だった。流石に身なりからして綺麗だ。羨ましいな……。
「ハルベルト公爵とフォルブース公爵のお二人が正門に到着した模様です。このままお連れしてもよろしいでしょうか?」
「そうだな、連れて来てもらえるか?」
「畏まりました。しかし、1つ問題がございまして」
「どうかしたのか?」
「はい、それがスタイン様とマーシオ様のお二人もいらっしゃるようでございます。そのお二人もお連れしてもよろしいですか?」
「そうか……予定とは少し違うが、まあ、仕方ないだろう」
「畏まりました、セシル王太子殿下」
両公爵だけじゃなくて、スタイン様とマーシオ様もいらっしゃるの? なんだか、波乱に満ちそうな予感がするわ……。




