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勇者科でたての40代は使えない 【ファーストシーズン完結】  作者: 重土 浄
第十四話 お付き合いのはじまり
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 冒険者ギルドによる災害救助活動調査記録


 救助ボランティアO氏への聞き取り調査


 <録音開始>




 え、こんなのやるの?聞いてないんですけど。聞き取りだけですって言われても。今日結構頑張ったんだから、もう帰りたいんですけど…。


 はあ、わかりましたよ。じゃあ手早く済ませましょう。手早く手短に。


 崩落が起きたの朝方でしょ?私、その時間寝てまして。緊急連絡で起こされたんですよ。ギルドの…レスキューの部長の指田さんから。えらい事故だからお前来いって。古い馴染みだからって扱いが雑すぎですよね。


 大規模崩落事故なんてそれこそ五年に一回はあるでしょ。それなのに皆あのダンジョンは頑強不変だと思ってて…まあそれはいいや。


 ギルドのレスキュー部隊に呼び出されて、不明者捜索に加われって言われてね。そんな事言われても、何人いなくなったのかもわからないだろって言ったら指田さん「ユコカの入場者数から戻ってきた連中の数を引いて出てきた答えが不明者数だ。その数が見つかるまで帰さん」って言われたんですよ。ひどいと思いません?


 その計算の雑さといい、ダンジョン内の行方不明者捜索の難しさの度外視っぷりも。雑なんですよ、あの人。よくあれでレスキューの部長になれたな…


 あ、こういうのは記録しないのね。いいけど。


 ようするに普通のレスキュー部隊じゃ話にならないから、私を呼んだってわけ。


 私?専門家だから。


 救助のじゃない、


 ダンジョンの、専門家。






 全てを捨てて走ったリーダーの男は昇降機にたどり着いた。荷の重みは背負っている時よりも、荷を捨てた時に感じ取ることができる。仲間も友も、姉も弟も捨ててきた。理性も正義も感傷さえも捨ててきた。


 彼は羽よりも軽く走れた。


 彼の荷物は彼の命だけだった。


 小さな赤いライトが昇降機を闇の中に浮かび上がらせている。


 背後でオークの殴る大きな音と女の小さな悲鳴が聞こえたが、ためらわずボタンを押し、ゴンドラを呼んだ。押した瞬間、命のエネルギーが再充填されたような得も言われる快感が生まれた。


 ゴンドラは押してすぐに降りてきた。扉が開くと男はすぐにゴンドラの中に入った。先に乗っている男がいたので、その隣にすぐに並び上のボタンを押し、扉が閉まるのを待った。


 隣に立つ男は中年でゴンドラの室内灯が強すぎるため、その顔はよく見えなかった。


 リーダーの男は、その同乗者に会釈した。


 また殴る音が聞こえ、女のうめき声がかすかに聞こえた。


 リーダーの彼は「もうすぐ死ぬかな」とゴンドラの外の、関係のない世界の出来事について考えた。扉はまだ閉まらず、昇降機はまだ上に向かって動かなかった。


 同乗した中年の男はゴンドラ外の通路奥の様子を眺めた後、答えを求めるかのようにリーダーの方に顔を向けた。


 リーダーの男は愛想よく、中年男に対してニッコリと笑顔を向けた


 その顔は拳で殴られ、昏倒した彼はゴンドラの床に曲がって倒れた。


 中年男性は外に飛び出していた。






 そん時、思いましたね「ついてる」って。いやそういう意味じゃなくて。遭難者探索なんて九割が空振りですよ。空手で帰るのが当たり前。せいぜい遺留品か、良くて死体ですよ。陰鬱な仕事ですよ。単独探索命じられて、昇降機で一気に下に降りて、さてどうすっかなと思ったら、生存者の男の子にバッタリ。彼にはそこで落ち着いてもらって…


 まだ生きている子を助けに行ったんです


 「生きてる、こりゃついてる」ってね



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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 サントさんたちの若い頃の冒険話は、気になりますが… とりあえず… ハリポ○のように頭からメモリーを出して、 映像が出る機械があるんだろうなぁー…
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