なんて小っぽけなんだ……
決して貶したいわけでも批判したいわけでもありません。
人には各々の考え方があり感じ方も違います。
是非これを共有して下さい。読んだ意見を共有して下さい。貴方の考えを共有してみて下さい。
考える力しか持たない小っぽけな私達を感じてみて下さい。
私達はなんて小っぽけなんだ……
熊は単純な体格(2〜3メートル)、膂力、速力どれをとっても大敗している。
そんな熊でさえ首の長いキリン(4〜6メートル)には遠く及ばない。
私達はなんて小っぽけなんだ。
キリンは陸上で群を抜いた背丈、速力、そして撓む首から繰り出される破壊力を持ち合わせる。
そんなキリンでさえも海中にはシロナガスクジラ(25メートル前後)とかいう生物には遠く及ばない訳であって……
私達はなんて小っぽけなんだ。
シロナガスクジラにサイズ、筋力、おまけに医療なんて自然界には存在しない上で寿命(推定80〜90年と言われている)ですらボロ負けしている。
そんなシロナガスクジラでさえ星というスケールでは小っぽけな存在であって惑星から言わせてみれば寿命なんて億単位、地球でさえも直径12000キロ越えとボロ負けもいいところである。
私達はなんて小っぽけなんだ。
数多の生物が暮らす宇宙に存在するオアシス的な地球でさえも大きいと感じるのに太陽系の外縁天体の巨大なガス惑星なんてもう大きすぎるのだけれども...
そんなガス惑星の木星でさえもスケールでいえば恒星の太陽から言わせてみれば10分の1以下のような赤子のような存在であって……
私達はなんて小っぽけなんだ。
宇宙はあまりのスケールゆえに重さで測られることが多々ある。
我らが太陽は太陽系の実に99.86%を占めており約2×10の30乗(0が30個)キログラムとかいう訳の分からない桁である。
そんな太陽でさえもR136a1とかいう暗号のような名前が付けられた恒星には遠く及ばない。
遠すぎて正確には測れないらしいが太陽265個分とかいう試算があるくらいであり、比べようとすると60キロの人間と茶碗一杯のご飯くらいの質量比となる。
私達はなんて小っぽけなんだ。
太陽の35倍の直径を持ち太陽265個分の質量を持つのではと言われているR136a1。
そんなR136a1でさえ重力で見た場合ブラックホールに比べたら可愛いものである。
大質量恒星の死後に残るブラックホールはその圧倒的な重力で光すら逃さない。
我々が宇宙を知るための唯一の情報源を星の外へと逃さないだけでなく彼らはその大切な情報を圧倒的な重力によりねじ曲げる。
人間が近づけばパスタのように引き伸ばされることだろう。
やはり私達は小っぽけだった。
だけど、そんな小っぽけな私達よりも小っぽけな存在がいる。
犬は大型犬でさえも立たない限りは人間の腰くらいのサイズまでしかいない。
立ちながら撫でるのには持ってこいな小っぽけな彼らだが優れた嗅覚とそれなりの頭脳を持つ。
少なくとも千〜一億倍優れておりこれは匂いをより遠く、より強く感じるとかではなく人間の感じ取れる最小物質を更に百万倍薄めても感じ取れるとかいう性能面で桁外れということである。
そりゃここほれわんわんできてしまうわけだ。
そんな犬よりも小っぽけな存在がいる。
カラスは犬のような嗅覚も脳の質量でも負けている。
しかし彼らが鈍感で馬鹿かと言われたら決してそうではない。
彼らは視界がとても広い、側面につく目のおかげで上下左右、後ろまでも見えてしまう。
何より飛ぶために脳みそを減らした鳥なのに賢さは犬に匹敵するほどである。
記憶力では脳の大きさで勝てないながらも学習、適応力、器用さでは無類の強みを持っている。
不器用な犬、覚えられないけど何でも対応できる頭脳、考えようである。
そんなカラスより小っぽけな存在がいる。
イワシは敵が多すぎる。
自分より大きなカツオやマグロ、ブリなどの青物、回遊魚からは回遊ついでに捕食される。
何も敵は魚だけではない。
サメなどの軟骨魚類、イルカやクジラなどの水棲哺乳類、海だけでなくカツオドリやカモメなどの鳥類から陸に住む人間までもが彼らを食べる敵である。
イルカやクジラの群れに目をつけられたら5億匹の群れが壊滅させられる彼らだが絶滅せずに生きながらえる圧倒的な繁殖力を持っている。
そしてそれにより海だけでなく、陸や空の全ての生き物が支えられている。
そんなイワシより小っぽけな存在がいる。
蟻なんてもはや胡麻である。
こんなんでも体格以上のものを動かす筋肉を持ってる化け物である。
蟻の筋肉で人間のサイズなら1人でグランドピアノ持てるのだとか(体重の20倍前後)
他にもムキムキマッチョな力持ち集団が脳など皆無のはずなのに高度な社会を形成しているのだ。
フェロモン効果により同じ道を何度も行き来する隊列、卵の世話、幼虫の世話、サナギの世話、女王の世話、掃除係、食事調達係、外敵駆除係、住まい拡張係、これほどの役職を言語も考える脳もないのに分担してやり遂げる高度な社会である。
そんな蟻より小っぽけな存在がいる。
クマムシなんかは50マイクロメートルほどの目には見えない小っぽけな生き物である。
苔や木々、動物の体に住みつく彼らは樹液やら細胞液やらを吸入して生活する。
だが実は宇宙からやってきててもおかしくはない性能を持っていたりする。
生き物には水は欠かせない。
砂漠などで生き物の数が極端に少ないのもそのためである。
だけど彼らにはあまり関係ない。
周りの植物や生物から与えられるだけでなくそれすらも乾燥が奪った場合、乾眠という手段を取る。
そうなったら彼らを止められるものはいなくなる。
例え酸素を奪おうとも、例え何千度に加熱しようとも、例えマイナス50度の極寒に当てられても、例えどれだけ乾燥しようとも彼らの命を奪うことはできない。
ミイラのようになった彼らは水を得ると動き出す。
まるで何事もなかったかのように。
そんなクマムシよりも小っぽけな存在がいる。
細菌やウイルス、とりわけウイルスに至っては生物ですらない。
彼らは生き物を依代として繁殖する。
他者の体、栄養を使い、自分の分身をとにかく増やして彼らは種の保存をしようとする。
そこには本能以外説明のつけようがない工程が行われている。
そして時には頼るしかない宿主の命さえも間違って奪ってしまう。
それでも彼らは増え続ける。新たな宿主に分身の誰かが宿れるように……
そしてまた彼らは奪ってしまう。
人間のみならずこれまでにでてきた数多の生き物でさえも。
そんな小っぽけな存在に奪われる我々はなんて小っぽけな存在なのだろうか。
小っぽけな私達人間だけれども様々な奇跡を起こした。
科学を発展させ、灯りで夜を消し、自然界では本来死ぬ人でさえも医学で助けることができ、人では出し得ない力さえも機械で出してしまえる。
だからこそ想像すべきである。
私達は宇宙からみたらウイルスほどの小っぽけな存在であると、私達はウイルスにすらやられる小っぽけな存在であると。
そうすると思えてくる。
物事の優劣などそんな小っぽけなことなど何も意味はなさないのだと……
やはり私達はどこまでも小っぽけだった。
保身に回る与党も批判しか出来ず生産性のない野党もそれらを投票し応援する私達でさえも……
他人を虐める者も見て見ぬ振りする周りも手を差し伸べる力のない私達でさえも…
命を奪う者も命を救う者もそしてそれらに左右される私達でさえも……
人間の力も大きさも思想も社会性も科学も医学も法律も刑罰もそして私達の心でさえも……
なんて小っぽけなんだ……
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