今の私の創作法
これは私が執筆する時の創作メモのようなものです。
ただのひとり言だと思ってください。
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●起承転結
物語の基本といえばやはり起承転結。
起――物語上の基本設定やキャラクターの紹介、事件や事故などの前触れ。
承――事件や事故などが起き、物語を盛り上げていく。
転――物語を一変させる出来事が起きる。
結――問題解決してエンディングへと向かう。
下の二つのようにちょっと工夫してもおもしろいかも。
起起承転結
ホラー映画をよく観るのですが、よく使われていますよね。
ある場所で凄惨な事件が起き、その後何も知らない主人公たちがやってくる……みたいな。
起承転結転結
ゲームによくある展開だと思う。
クリアしたかと思ったら次の世界へ……みたいな。
私は物語を創作する時、『結』あたりから考えることが多いです。
『結』があり、なぜそうなったのかと物語を逆に進ませていく手法です。
私が思う『結』から物語を創作するメリット・デメリットは――-
メリットとしては着地点が決まっているので物語がブレにくい。
物語が迷走しかけても軌道修正しやすいです。
デメリットは視野が狭くなりがちになることでしょうか。
ある意味プロット通りに書けるのかもしれませんが、もっとおもしろいラストシーンを考えなくなりがちです。
●物語のアイデア
どんなジャンルの物語を書きたいのか。
まずはそこから始まります。
ジャンルが決まれば……あとはなんとなく……いろいろ想像して……言葉で表すのは難しいです。。。
例えばですが、ホラーを書こうと思った時に『病院』というお題があったとすると……。
病院→夜怖い→どこが?→霊安室→誰が行く?→ナースさん→どうなる?→……
みたいな感じで物語の軸を決め、それにいろいろと付け足してみたり。
●世界設定・キャラクターの能力設定
書きたいジャンルが決まれば、世界設定を考えます。
物語やキャラクターの土台ですね。
その物語はどんな世界で、どんな人々がいて……というようなことを考えます。
メインとなるのは物語やキャラクターなので、それらに矛盾が出てきたリ動かしにくくなった時のためにざっくりとした設定で良いと思います。
私の場合、大雑把にでも考えた世界やキャラクターの能力設定を変更するというのはやらない方向で考えています。理由としては、その設定だからこそキャラクターの行動を制限されてしまうような『縛り』があった方がドキドキしておもしろいという好みの問題ですね。
まあ、物語の展開によっては少々の変更はやむなしということもあるので、最初に設定を全て出すのは避け、物語の展開において必要な部分だけを書くことで逃げ道を残しておきますけど。
●キャラクター
明るい
暗い
行動的
思考的
良い
悪い
基本的にはこの六つを軸にキャラクターを作ります。
明るくて行動的で良いキャラクターなら、主人公向きかもしれませんね。
他には真面目なのかお調子者なのかなど、細かい性格を付け加えたり。
明るくて思考的で悪いキャラクターなら、くせ者というか、スパイみたいな立場になるかもしれません。
仲間として溶け込むのが上手で、喧嘩の仲裁に入ったりするのですが、裏切った時は笑顔で牙を剥いてくる感じの。
あとは二面性を持たせたりして、魅力あるキャラクターを作れたらいいなと思っています。
●執筆
物語を書くのは難しいです。
特にセリフではない字の文。
私が実践できているかは別として、下手ながらもなるべく5W1Hを意識するようにしています。
いつ
どこで
誰が
なにを
なぜ
どうした
例としては――
厚い雲に覆われた夜空。
闇が広がる雑木林に、男のザッザッザッ……という落ち葉を踏みしめる足音が静かに響く。
二十歳になったばかりの若い男である。しかし走る体力はとうになく、息の荒い男は木々を支えとしながら歩くのが精いっぱいだった。
重い足を上げ、男はある場所へ向かっている。いや、正確には引き返している。
目指す場所は廃業した山荘。十数年前までは宿として営業していたらしい。
「次は俺だ……俺が喰われちまうんだ。俺は死にたくない。はやく、はやくアレを戻さないと……」
何度も雲がかかった夜空を見上げる。
あの雲が途切れ、隙間から月が出てしまった時、次は自分が殺されてしまうことを男は知っていた。
血の臭いがする汗を拭い、男は山荘へ向かう。
ヤツはすぐ傍にいる。
姿は見えないし気配もない。しかし、ヤツは決して自分から離れたりしない。
虎視眈々と、次の機会を待っているに違いないのだ――。
――という感じで。
いつ―――――夜に
どこで――――雑木林で
誰が―――――俺は
なにを――――アレを戻したい
なぜ―――――死にたくないから
どうした―――山荘へ戻る
これは短編で書いた、自作品の『影』という作品の一部です。
作者の頭のなかには全ての情報があります。ですがそれを読んでくださる方に伝わるように書くのは難しいですね。
この5W1Hも怪しいですが、下手は下手なりに気をつけているというお話しでした。
●工夫してみる
脳内で繰り広げられる物語。
その展開に執筆の手が追いつかないのは私だけではないかもしれません。
そんな時にはどうするのか。
私の場合、セリフだけを先に書いておくことが多いです。
後日セリフを読み返せば、物語の場面やキャラクターの心情を思い出しやすいのです。
せっかくおもしろそうな展開を思いついたのに、後日その展開を忘れてしまったのが悔しくて……からの自分に対しての工夫です。
物語を執筆し投稿するからには誰かに読んでもらいたい。
趣味であろうとプロを目指しているのであろうと、作者ならば誰もが抱く気持ちだと思います。
ですが読者の方にも好みがありますので、自作品を投稿したからといって必ず読んでいただけるわけはありませんが、興味を持ってもらうために冒頭で少し工夫してみることもあります。
それは『ホットスタート』といわれる手法。前文での『起起承転結』もこれにあたります。
私の場合『結』あたりから物語を逆行させて考えることが多いのですが、『起』から考えると、どうしても書く時に設定の羅列になってしまいがちです。
しかしそれだと、読み返した時に作者である私でも自作品に興味を持てない・ついていけないこともあります。
それは私が下手なのだということなのでしょうが、そこは下手なりの工夫。
まず冒頭で主人公の危機であったり緊迫した場面を描きます。これで興味を持ってくれないかな~……なんて。その後物語の時間を過去に戻し、どうしてそんな展開になったのかを設定を小出しにしながら書いていきます。
読者の方にウケるのかはわかりませんが、これも私の好みですね。
●最後に
とまあ、いろいろ書いてみました。
しかし執筆するのは難しいです。作者である私が物語を理解しているだけで読者の方を置いてけぼりにしてしまっていることも多いです。
気をつけていればわかりやすい文に出来るということではないんですよね。困ったものです。
私は自分好みの読みたい作品を投稿させてもらっています。なので自作品に興味を持ってくれた、同じような好みを持つ読者の方と出会えるのはとても嬉しいですね。
そんな読者の方々に、少しでもわかりやすく伝えていこうと思っています。
もし作者の方や作者になろうとしている方がこれを読んでくれているのなら、皆様にもそれぞれの書き方があると思います。
私のように『結』あたりから逆行させて物語を創り上げていく方もいらっしゃるかもしれませんし、『起』から順番に創作していくという方もいらっしゃるでしょう。
個人的には、文法はともかく創作方法は自由だと思っているので、自分の考えた「おもしろい物語」が伝わりやすく、そして楽しく執筆できたら良いですよね。
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