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国母セルア  作者: 小松しま
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 どこの国でも同様だろうが、イブリール帝国においても、大帝と称された君主の数は全体から見て、さほどの割り合いでない。

 正確な定義などある由もないが、暗黙の大前提は、国土を広げた実績……即ち、戦での勝者となった功績があげられるだろうから、どうしたところで、血なまぐさい印象は否めなかった。

 ただ、通常なら、建国の創主をまずそう呼ぶべきところ、初代皇帝ロスウィールは、神の意志を受けて降臨した「水晶の御使い」こと「黎明のかんなぎ」の差配によってその地位を授かったため、無血で至尊の座に就いたとの伝説があり、聖帝と称されている。

 よって、彼を例外扱いするのは当然だろう。

 必然、以降の子孫たちの中から、大帝は誕生した。

 その一人、レスヴィック。

 ただ国土を広大なものにしたのみならず、比類なき偉業を達成した英雄として、誉れ高い君主である。

 だが、伝承によれば、「自らの手を用いて」、余人の血を流させていないらしい。

 歴史に名を残す戦いの当事者でありながら、それに一体、どう言う意味があるのだろうか?

 また、そのような人物がなぜ、大帝と称されるに至ったのかは、当時の詳細な記録がほとんど残っていないために、後の歴史家たちの見解が別れるところである。


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