私の乙女を奪って下さい　～ 僕と晴希の愛の軌跡　731日の絆と58年の想い ～

　今宵、３０回目の誕生日を迎えたフリーターの『直樹』は、その冴えない容姿や控え目な性格から『恋人いない歴＝年齢』を更新し続けていた。

　自分は恋とは無縁なのだと悟り、公園で慣れないヤケ酒をした帰り道……追われていた女子高生『晴希』を救った事で運命の出会いを果した。

　初めは可愛いらしい晴希と会話出来るのが嬉しくて、つい舞い上がってしまっていたが、相手は女子高生……深入りして、犯罪者と間違われたら大変だと掌を返した直樹は、急に素っ気ない態度を見せたのだが……

「だったら、付き合っちゃいましょうよ」

　とある理由から、直樹を運命の人だと信じて止まない晴希は……あろうことか、愛の告白をして来たのである。

「ほらっ結局、口先だけだろ？ 抱かれる覚悟も無いのに軽々しく、付き合いたいなんて言うもんじゃないんだよ」

　当然、晴希の言葉を信じる事が出来なかった直樹は、詐欺や遊びを疑い、冷たくあしらってしまったのだったが、晴希は徐にスカートを上げると衝撃の一言を言い放ったのだった……

「私の乙女を奪って下さい」

　真面目で優しい直樹と天真爛漫な晴希が繰り広げるピュアで儚い『真愛の物語』……衝撃のドタバタ展開に、ニヤニヤと口元を緩めながらご覧下さい。