第1話 「あ、ちょっと待っ!?」
※随時調整していきますので、文章、物語、作者の顔面等々キッッッツってなるときは、考えるより感じてください。
ちなみにまだぜんぜん異世界に行きません!!!
っはは
Q1,「高校生活でやりたいことはありますか。」
「いいえ」
はあ、ゲームだけして生きていきたい。高校でも特に何もできないと思うので細々と生きたいです。
Q2,「友達を作っていく自信はありますか。」
なんてこと聞きやがるこのアンケート。そりゃまあ、ゲーム友達とかオタク友達とかほしいよ。
「いいえ」
Q3,「自分に嫌いなところはありますか。」
「はい」大嫌いです。
◇◆◇◆◇
小さい頃、ヒーローに憧れた。
だからあのとき、……たった一言、それが出なかったことが、本当に情けなかった。それから俺は、自分に期待することがほとんどなくなったんだ。
『神様がいるのなら、なんで僕に勇気をくれないの?』
なんて……そんなものは全部、全部俺のせいなのに、また"勇気"を求めてしまうんだ。
◇◆◇◆◇
「………んにゃ……?」
「……フフッ…んにゃって何?」
目が覚めて、すぐに視界に入ったのは、新しい制服を着こなし、覗き込むようにこちらを見ている"勇気"……もとい、田所"悠希"だった。
「おはよ!入学初日から居眠りなんて……、不良ですか?高校デビューですか?」
机に伏せて寝ていた俺に、悠希は目を細めて、面白がるように問う。彼女は最近髪を短くしたらしく、今日の朝、初めてその髪型を見た。高校デビューとは一体どっちだろうか。
「……ぅるさぃ…ただの寝不足じゃん。……っていうか起こしてよ。」
「嫌だよー。めんどいし!あっねね、聞いて和希!和希と同じ『早瀬』っていう名字の子がクラスにいたよ。」
「えっ、クラスに早瀬が二人とか嫌すぎるんだけど…」
「全国の二人早瀬がいるクラスに謝れよ。担任の先生がどれだけ苦労してると思ってんだ。」
「クラスに謝れって……せめて人に謝らせてよ。あとなんでお前が先生の苦労を知ってんだ。」
悠希とてきとうな会話をするうちに、頭が冴えていくのを感じた。
「そう言えば、和希。なんで今日はおねむだったの?○メハメハの練習?精が出るね!」
「違わい。っていうかその伏せ字のあとに精が出るとか言わないで。(かめは○波だろ…)見間違えたら終わりな文字列してんな。
……昨日は深夜から新しいゲーム始めちゃって、気付いたら夜明けぜよって時間だった。」
「分かるわー。私も昨日は夜までエロゲやっててさぁーマジでストーリーがごちゃくそ良いのよ。」
「あー……、………いやエロゲて、さらっと何してんだ。俺らまだ15歳高1だよ?」
「………いや、あのね……。全年齢版のやつだよ…」
「全年齢版のエロゲってなんだよ。お前河川敷でエロ本拾ってくるタイプの子供かよ。」
「なんで知ってるの!?」
「なんで拾ってるの?!勘弁してよ、1話でもう退場するつもりなの?」
「あはは!冗談だって、はは……はぁ…………」
「自信無くすなよ、その否定にお前の命運がかかってるんだよ!」
ホントに冗談だよ!っと悠希は付け足し、彼女はトイレに行くため、今居る教室を後にした。
「はあ…、……なんで俺、
……アイツのこと好きなのかな……」
顔を伏せ、自分に問うようにぼそっと呟く。
田所悠希は空気が読める。俺が知る中で、最も頭の良い立ち振る舞いをしている人物だ。
対して、俺は空気が読めない。いや、読もうとしすぎて、頭がパンクし、結果的に変な行動をしてしまうのだ。
だからこそ、彼女のその力にあこがれ、嫉妬し、気がつけば彼女を好きになっていた。
自分にできることを余裕を持って実行する、その飾らない行動が大きな飾りとなり、彼女をより良く見せている。
そして今、流行りのグッズで飾られた悠希のカバンのそばにある、彼女スマホに、BLマンガのカラーページが映し出されている。
端的に言おう、チクビだ。BLマンガ巻頭のカラーチクビが、俺の好きな子のスマホに映っている。先程否定されたエロゲとエロ本疑惑、怪しさは高まるばかりである。
……と言っても、こんなことで今更驚く俺ではない。それどころか、なんともやさしいことに、誰かに見られる危険性を無くすため、彼女のスマホの電源をオフにしてあげようと、そのスマホを手にした。
別にそのままマンガのタイトルを確認したり、ちょっと読み進めたりしたとは言っていない。なるほど、年下攻めか。
……よし、それじゃあ名残惜しいが、電源をオフるとしま―――
そのとき悠希が教室に帰ってきていた。
「あ、ちょっと待っ!?―――え?何してるの?」
ぉぅジーザス
「待って待ってスマホ見ないでよ!」
「おーけー。何も見ていない。」
「ウソじゃん!もーホントにさー」
あわてて駆け寄り、悠希は俺の手元のスマホを急いで奪い取る。いやまあ、奪ってたのはどっちかっつーと俺の方だったけど。
「しかも最終ページまで読んでるし!グッドボタン押してるし!」
「次回作に乞うご期待。」
「ふざけてんだろテメエ!!!」
悠希はスマホをホーム画面に戻し、現在の時刻を確認した。
「あ、ヤッバ!もうこんな時間だよ?帰ろ?」
「……別に俺が寝てるときに先帰っても良かったのに…」
「またそんなこと言ってぇ置いていったら怒るんざましょ?」
オホホっと口元に手を当て、彼女は言った。
「いや、怒んないけど……」
「まぁ一緒に帰る理由は、家が隣同士だし、それ以前に……。あーもういいから早く帰ろうよ!」
彼女はスマホなどの荷物をカバンへ入れ、足早に去っていった。
「あ、ちょっと待って。……よしっと、」
こちらも急いで帰り支度を済ませ、彼女の後に続いた。夕日の中で、悠希はニコッと微笑んでいた。
―――ああ、この日々が、この世界がずっと続いてほしい。
その日の"ゆう"の輝きは、息を飲むほど、綺麗だった。
意識的に息を飲もうとするとゲップが出るのは僕だけですか、そうですか。
やってみます。
スぅううーーーーー!!!!!
ゴクッッッッッ!!!!!!!!!!
げっぷ!!!!!!!!!!!!!!!
今のでロングブレスダイエットを思い出したのは僕だけです。
第1話をご覧いただき、誠にありがとうございます!
下ネタなんてなかった。そしてこれからもそうだ。違うか?