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第13話 幼馴染の虫歯

ついにこの日がやってきた。

今までなんとか回避してきたが……とうとう逃れられない所まで来てしまった。

これまでのことを、一体どれほど後悔しただろうか。

あぁ、それでも時は戻らない。

この痛みにいつまで耐えればいいのだろうか。



虫歯。

この歳になっての虫歯はきつい。

はぁ……そもそも歯医者なんて行きたくないんだよ。

隣を歩く流季に愚痴りながら歯医者へ向かう。

「……って、なんでお前がいるんだよ」

「付き添い」

「虫歯じゃないのか」

「残念、綺麗に揃ってまーす」

いー、と歯を見せる流季。

知ってる。

こいつは今まで一度も虫歯になったことがない。

化け物だ。

以前そう言ったら、

「毎日ちゃんと歯磨きしてれば虫歯になんかならないよ」

と返された。

お菓子をあんなに食ってる奴に言われても釈然としないのは仕方がない。


歯医者に到着。

「じゃあ、終わったら連絡してね」

「いや何しにきたんだよ」

「だから付き添いだって」

「歯医者に来るまでの?」

「ちゃんと来るか監視役」

俺が信用されてないのはよく分かった。

「歯医者が嫌すぎて小学生の頃、いつの間にかおもちゃ屋に行ってたもんね」

昔の話だ。

「さっきも隙を見て逃げ出そうとしてたもんね」

だから手を繋いでたのか。

「じゃあいってらっしゃーい」

いってきまーす。


※※※


終わった。

……わけじゃない。

『また次回も来てください』という言葉により、再びここに来なくてはならなくなった。

はぁ……。

とりあえず今日は終わった。

さぁ、帰ろ……。

「遅いよ」

忘れてた。

「連絡するっていったろ」

「どうだか」

うん。忘れてた。

「さぁ、帰ろう!」

「おいおい、そんなに走るなよ。危ないだろ」

というか帰りはもう手を繋がなくてもいいんじゃないのか?

……まぁ、いいか。

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