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女子会

◇◇◇

〜放課後〜


 夕方の街は帰り際の学生や定時上がりのサラリーマン、買い物へ出かける主婦など、色々な人が行き交っている。

 私と佐奈も、その人々の群れの一つに属し、帰宅の道中なわけだけど、


「ねっ佐奈、ごめんて」

「ツーン」


 佐奈がお昼休み以降、素っ気なかった。

 というのも、お昼に私はパンを買いに行き、そこで倉敷くんと念願のライン交換やご飯に行く約束を取り付けたのだが、そのことで頭がいっぱいになり佐奈のことを忘れていたのだ!

 佐奈は健気にも私が帰ってくるのを待っていたらしく、お弁当を食べ損ねてしまったらしい。

 そりゃあ怒るよね……。


「そうだステバ! 佐奈、ステバの飲み物私が奢るから許してぇ……」

「……トッピングは?」

「何でもつけていいよ! サイズも好きなのでいいから!」

「もう、しょうがない娘だなぁ栞里ちゃんは!」


 ついさっきまで私が佐奈にステバを奢ってもらうハズだったのに、形勢が逆転してしまった。何だか佐奈の手の平の上感が否めないが、実際悪いことをしてしまったので気にしないでおこう。

 とりあえず、今日のことも話したい私と佐奈は、駅近にあるステバに入った。


「はぁ……今月のお小遣いが……」

「んん〜おいし!」


 遠慮なく新作にトッピングをマシマシにつけた佐奈が、幸せそうな顔をしている。人の金で飲むステバの新作はうまいか?

 まぁ、かくいう私も新作を飲みつつ、話したくてしょうがなかった昼休みの話を切り出す。


「それでね佐奈、お昼休みにね」

「ふんふん」


 私がちょっと落ち込んでいるところに倉敷くんが現れ、代わりにパンを買いに行ってくれたこと。目的のものが買えず、落ち込んで帰ってきたこと。コッペパンが非常に美味しかったこと。そして、念願のライン交換と、今度ご飯を一緒に食べに行く約束をしたこと。

 時間にしてどれくらいだろう。30分、いや1時間は喋っていたんじゃないだろうか。喋っても喋ってもまだ足りない。嬉しいことがあった時って、何でこんなにも止まらなくなるんだろう。

 トッピングマシマシの新作をとうに飲み終えた佐奈が、若干ゲッソリしているようだけど気にしない。


「はぁ、こんなに嬉しいことがあったのに、もうすぐゴールデンウィークだよ。倉敷くんに会えなくなるの嫌だなぁ」

「嫌だなぁて、そのご飯行く約束ってゴールデンウィークに行くんじゃないの?」

「え、そうなの!?」


 ゴールデンウィークなの!? ま、まぁ確かにもうすぐ連休入るし、どこか出かけるのには最適かもしれないけど、今朝までゴールデンウィークは倉敷くんと会えなくなる期間としか捉えていなかったから、すっかり忘れてた……。


「それにラインを交換した今なら、会えなくなる日でも連絡取れるじゃん」

「そそそ、そうだった! もう寂しくないんだ!」

「まぁ、栞里に送る勇気があるなら……ね」

「それな……」


 でも連絡を取れる手段があるってだけで、私の気持ちは相当に弾んでしまう。今朝まではその手段すらなかったんだ。大きな進歩である!

 新作の最後の一口をズズズと吸うと、それを見た佐奈は意気揚々と立ち上がり、


「さて、それじゃあ栞里の進歩もあったことだし、そろそろ行きますか!」

「行くって、もう帰るの?」

「いいや、栞里の人生初デートの勝負服を選びに……さ!」

「佐奈……——!」


 やっぱり佐奈は親友だ! 泣きそう!

 私たちはステバを後にし、門限時間ギリギリまでコーデの旅に出たのでした!


 ちなみにお小遣いピンチだったの忘れてたので、ほとんど買えませんでした……。

お読みいただきありがとうございます!

ス○バって、決して安くないのに女子高生たくさんますよね。どこにそんなお金あるんだろうとよく思います。


引き続きよろしくお願いいたします!

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