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第3章-7 生まれ変わる意思たち

 ハールとミシェルはあらゆる知人を頼って駆け回った。

 が、

「いやいや偶然が重なっただけだよ」

「そんなこと言ってたらBAN食らわないか?」

「流石に今の時期にエイプリルネタは笑えないって」

 知人たちにはこのような始末を受けるばかりだった。

「なんで皆信じてくれないの⁉」

「冷静になってみれば当たり前か。ミシェルが宝箱からオリハルコン見つけたって言われても信じないのと一緒か」

「何それ! あたしが0.02%を当てられないと思ってるの⁉」

「それについては手に入るって言う事実が知れ渡っているからまだ信じる奴が一人や二人いる可能性があるんだ。けどな、NV社の陰謀は俺たちしか知らないんだ。信じてくれなくて当然だ」

 こう言われたら普段であれば、意地でも探してくるミシェルだが、今回は流石に無益な言い争いをするべきじゃないと理解したらしくそれ以上楯突くことは無かった。

「ん、メール。…………。ガレッドからだ」

「あたしたちのこと信じてくれるって⁉」

「あいつにはまだ連絡さえしてないぞ。ニューセンチュリーでカーレーシングでもしないかってメールだ」

 ガレッドは騎乗系本職であるパラディン以上の馬、ひいては飛竜の乗り手だった。

 ニューセンチュリーなら、レーシングカー、やろうと思えばボートレースでも戦闘機でも用意できる。

「もしかしたらこれが狙いなんじゃない⁉ 向こうに行かせてこっちに帰ってこさせない気何じゃないの⁉」

「何でも出来る世界だからな。あり得るな」

「ハール! 今すぐガレッドに戻って来いって伝えてあげて! このままじゃ皆いなくなっちゃうから!」

「騒ぐなって、変に見られるだろ!」

 帝都の真ん中で往年の晒しスレッドのように嘘か真かも分からないことを騒ぎ立てる実名丸出し(どころか顔出し)の二人は誰が見ても痛かった。

 そんな二人を注意するどころか、近づく者もいなかった。

「あれ?」

「えっ?」

 気付くことも出来なかった。

 自分たちの目の前が暗転することに。

 気付くことも無かった。

 二人の冒険者が、帝都から消えたことに

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