第一章_冒険の4 初戦闘
前話までを修正したり、設定を変えたりと時間がかかってしまいました。
少し短めですがすいません。
突然近づいた俺に対し、ゴブリンは驚きのあまり一瞬動きを止める。
しかし、それは一瞬のもので、すぐさま手にしている棍棒を俺目掛けて振り下ろす。
「おっととと...っぶねぇ。当たったら痛そうだな。」
初めての戦闘で浮き足だっていた俺は、半身になりながら間一髪のところで棍棒をかわす。
当たれば一般的なステータスならば、痛いでは済まないほどの大怪我なのだが...。
相手の攻撃を目にしたことにより、俺の頭が冷静さを取り戻してきた。
「次は俺の番だな。ふん!!!」
俺は振りかぶった右ストレートをゴブリンの左頬にお見舞いした。
格闘技経験者からすれば、大降り過ぎる拙い右ストレートであったが、見事ゴブリンの頬へと命中した。
それも、グチャリと深いな音を立てながら。
右ストレートを受け止めた左頬は衝撃を吸収しきれず、そのまま頭ごと弾き飛ばしたのだった。
「え?もう終わり?」
俺の気の抜けた声だけが響いた。
「呆気なさ過ぎない?...くっさ!!!」
あまりの呆気無さに意気消沈をしていた俺の鼻孔を強烈な悪臭が襲う。
頭を弾き飛ばした際に、肉片や返り血といったものを浴びてしまったようだ。
「とりあえず、この臭いをなんとかしないとなぁ。」
こうして俺の初戦闘は終わった。
辺りには、俺のため息だけが虚しく響き渡る。