第一章_冒険の3 はじめての魔物
2018年12月5日改稿
木が生い茂る森の中を進むこと数時間、太陽が頭上高くまで昇っているところを見るに、おそらく正午頃だろう。今のところ魔物との遭遇はない。
今のうちにと、世界辞典を使って色々と試しながら歩いていた。
世界辞典は、世界の事柄を調べる能力であるため、周辺情報を意識すれば、マップの用なものが頭に浮かび上がることが確認出来た。
マップに映し出されている情報は、絞り混みや検索も可能で、周囲の生き物の場所までが分かる。
「うん、チートだよな?」
思わず溢れた笑みはひきつっていた。
ただ、このマップは生物や物の場所や情報は分かるものの、テンのようにその場を見ることは出来ない。
どうやら、情報とはいっても、認識情報だけで視覚情報は効果範囲に含まれていないらしい。
また、魔力操作ができるようになったことで、身体強化を使用出来るようになった。
世界辞典によれば身体強化とは、操作した魔力を筋肉に流したり、身体に膜を張るように纏うことで身体能力を大幅に向上することが出来る。
この世界では『魔装』と呼ぶらしい。
身体能力の影響により2、3日かかるかと思われた街までの道も夕方までには着くだろう。
(トウカ!くるでぇ!)
後ろから着いて来ていたテンから注意の声が入る。
もちろん、マップにより近くまで迫っていたことは確認済みだから、気は抜いていない。
「さぁ、はじめての魔物だ!」
草の向こうから飛び出してきたのは、低身長に緑色の皮膚おまけに悪臭を撒き散らすゴブリンだった。
手にはボロボロの棍棒を持っている。
ちょっと待て、テンはどうして鼻を摘まみながら、後ろに下がって行くんだい?
どうやら、テンは動物の嗅覚により悪臭に弱いらしい。
とりあえずテンは後でお仕置きするとして、さっき世界辞典で確認しておいた鑑定を使用する。
<ステータス>
種族;ゴブリン
体力;150
魔力;10
攻撃力;40
防御力;30
俊敏;35
スキル;身体強化
棍術
装備;ゴブリンの棍棒
「ちょっと臭いけど、腕試しには丁度いいね!」
魔装で身体能力を上げた俺は、ゴブリン目掛けて飛び出した。
ようやくすべての改稿が終わりました。(時間かかった...)