プロローグ2
2018年12月2日改稿
「とりあえず、恩恵を選んで頂戴。異世界に行って言語が分からないじゃ大変だろうから、異世界言語と人や物の本質を見れる鑑定は特別にプレゼントしちゃうわね!それ以外で、そうねぇ...3つまででどうかしら?」
化け物は突如出現した半透明のタブレットを俺へと渡しながら伝える。
そこには、神のギフト一覧と書かれた恩恵の一覧がずらりと並んでいた。
使えそうなものから、なんのためにあるか分からないものまで並んでいる。
なんだこの『夜伽の八十八手』という怪しいものは。
とりあえず、俺は使えそうなものから選んでいくことにした。
「そうだな。じゃあこの『世界辞典』『成長補正』『等価交換』が良いかな。」
「あらぁ、また良いものを選んでくれちゃうわねぇ!なんならあたしもサービスで着いて行っちゃおうかしら?」
化け物がまたも怪しい動きをしながら近づいてくる。
その怪しい動きをする手はなんなんだ!
「お前は必要ない!!!」
俺はきっぱりと言い放ち、距離を取るのを忘れない。
「もう!!連れないんだからぁ!!」
化け物は地団駄を踏んでいるが、ここで変なことをいうと本当に着いてきそうなので、構うことはしない。
「あっちの世界では、ステータスって言うのがあるから、向こうの世界に行ったらまず確認して頂戴ねぇ。『ステータスオープン』って唱えれば見れるはずよ。」
ますます生前に読んだライトノベルっぽくなってきたと考えていたところで、化け物が何かを思い出したようだ。
「そうそう、大事なことを言い忘れてたわ。あっちの世界では、稲荷ちゃんの体じゃ魔力に耐えきれないの。これは魔力っていう概念が元の世界には無いからよぉ。だから、作り変えちゃうわね!もちろん、女なんかにする気は無いわよ!?あと、稲荷ちゃんの名前も向こうでは目立っちゃうから『トウカ』って名乗って頂戴。」
作り変えると言う言葉の辺りで化け物の目が怪しく輝いた気がするが、藪蛇をつつくことはしないでおこう。きっと録なことはない。
「ながながと話しちゃったわ。稲荷ちゃん、今回は本当にごめんなさいねぇ?新しい世界で無事に生活できることを祈ってるわぁ。寂しくなったらいつでもあたしのことを呼んで頂戴?すぐに駆けつけちゃうわよぉ。」
ここに来て初めて真面目な顔で話をされた。しかし、神のくせにフットワークの軽いやつだ。
「起きてしまったことは仕方ないよ。ただ、元の世界の家族にも若干フォローしといてほしいな。」
「任せて頂戴!そこもバッチリよぉ!!じゃあ、元気でね稲荷ちゃん。」
化け物の話が終わると俺の回りを光が包み込む。
さぁ、気を引き締めて向かうとするかぁ!
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