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星の方舟 = Star-Ship ARK =  作者: 杉森 真
11/11

Epilogue ★ 宇宙、それは神秘の世界

 

Space, the Mysterious World


◆ 宇宙日誌、西暦2201.04.18 ログイン ===>


 未知なる宇宙域に迷い込んだ私たちにとって、氷の妖星の存在は最大の謎だ。

 量子の世界では、エネルギーの壁をすり抜けるトンネル効果が確認され、光速を超えたと言われるニュートリノは、三次元ブレーンから高次元へすり抜けていた。

 ミクロの世界では、不思議現象がいくつも観測されている。


 この未知なる大宇宙では、マクロな世界にも想像を絶する現象が起こるのかも知れない。

 SSアーク号は、次元の壁をすり抜け、時空を飛び越えたのだろうか。

 ワープやタイムスリップが起こった可能性は否定できないのだ。


 ここは一体どこの宇宙域なのだ? はたまた一体どの時代なのか?

 突然襲ってきたソーラーストームの影響だろうか。

 それともワームホールにでも飛び込んだのか。


 最新の多元宇宙論では、平行宇宙(パラレルスペース)の存在が予言されている。ワームホールで連結されて、葡萄の房のようにいくつもの別宇宙があるという。

 それはユニバースに対して、マルチバースと言われている。


 何れにしても、『氷の星』の存在は確かな現実である。

 未知の魅力にとりつかれた私たちを誘うように、清白色の妖しい輝きを放っている。

 その輝煌は、私の探査意欲を大いに駆りたてる。


 果たして、運命のコンパスは、何処を指しているのだろうか。

 この神秘の天体は、『約束の星』となり得るのか。

 その答えが、この星にはきっとある。きっと・・・・。


 私たちを乗せたSSアーク号が立ち向かう、人類最後のフロンティア『宇宙』へのアドベンチャーは、まだ始まったばかりだ。


=== 以上、ログアウト ◆


          ★ ★ ★



 史上最大のソーラーストームから、無事に難を逃れたと安堵していたのも束の間だった。

 私たちには、新たなる謎と未知なる命題が降りかかってきた。

 SSアーク号の進路に突如出現した謎の天体は、清白色の妖しい輝きを放つ『氷の星』である。


 ここで最も気になる特徴は、赤銅色の一本線を描く細いベルト地帯の存在であった。おそらく土壌が剥き出しになっているのだ。火星で有名なマリネリス峡谷にも似ているが、砂漠のような様相は呈していない。


 地表の八割を超える程の範囲で氷床が覆うというのに、そんな狭い範囲だけに氷がないというのは不思議なのだ。天体物理学が専門のフォレスト博士でさえも、腕をこまねいて首を傾げる。赤道直下だからという短絡的思考では説明がつかないと言う。


 私たちはミーティングをつづけ、各方面の意見に意見を重ねた結果。立ちはだかる謎の妖星に対して、惑星探査を決行することにした。


 しかしそんな矢先、SSアーク号の船体に異常が現れた。それは、波瀾に満ちた人類の歴史の新たな序章となった。

 

 



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