誤解を招く発言
こうして俺達は、ギルドに向かった。
街中にある大きな石作りの建物、丸ごと一棟がギルドであるらしい。
一回が酒場兼受付になっていて、料理もおいしくて安価で盛況だそうだ。
駆け出しの冒険者といったお金の、あまりない者達でも食事ができるようにという配慮らしい。
その分安いものからそこそこ高いものが充実していたり、壁の掲示板では誰かがその食事のチケットを購入し、貼り付けて、お金のない冒険者でも食事ができるような慈善事業のような事もされているようだった。
そして現在俺は、ギルドの中に入った所で、武器のようなものを一度も使った事のない俺だが分かった、そう、見るからに手練れの雰囲気を出した冒険者……彼女に絡まれていた。
「貴方のような武器も持たないような人物が冒険者をやっていけると思っているの!?」
「え、えっと……あの」
「全くなっていないわ。冒険者はそんな甘い職業じゃないのよ!」
などと俺はからまれているというより説教をされている。
それも美少女剣士、と言っても過言ではない人物にだ。
金髪をポニーテールにし、ヒスイの瞳は強い意志が垣間見える。
どうしようと俺が思っているとそこで後ろから顔を出したニャコが、
「あれ、アリアお嬢様、どうされたんですか?」
「! ニャコ、何で貴方がここに?」
「師匠が、魔王討伐の関係で徴収されてしまい、私は追い出されてしまって。何でも家族は全員、人質……ならぬお城で住まわせてもらえるそうなのですが、私や他の弟子達は、職人は連れていかれまいたが、材料関係を扱っていた私は放り出されてしまって」
「何てこと……魔道具材料にあれほど詳しくて真贋の見極めもできる貴方を……今どうしているのですの?」
「このコウジに寄生しています」
「何でこんな、弱そうな男に貴方が……私の所に来ませんか? 高待遇で雇います」
などと目の前の美少女アリアがニャコを引き抜きに!
だがここde
知識のあるニャコを連れていかれては俺が困る、そう俺が思っているとそこでニャコが、
「(拾った)責任……とって貰わないといけなくて」
「へぇ、随分と鬼畜な男のような」
誤解を招く発言をニャコにされ、俺はアリアににらまれたのだった。