こちらに送ってもらう必要がある
こうして俺は、どうしてこんな風に城の外に追い出されたのかの経緯を話すことに。
他にも元の世界の戻れないといった話や、外に出て自分の能力が分かったものの、この世界の好物などが分からずに拾ったニャコに手伝ってもらっているといった話、他にもアリア達と出会った話などを告げていく。
一通り話をした俺だがそこで正人が、
「まさかそんな展開になるとはな」
「俺も信じられなかったよ。それで現在は装備などを整えつつ、元の世界に戻る方法を探そうとは思っていたんだ」
「そうだな……そちらの方は浩二に任せる。あと、後で勇者関連の話をそちらのアリア達から聞きたい。どうもこの勇者関係の話は、他にも何かがあるようだ」
「何か?」
「ああ、魔族たちと戦闘をして倒すけれど、前に一度、『次はお前が主か!』と笑っていたのが気になる」
「……あれか。王を倒したものが次の王、みたいなものがあるのか?」
「それがあると嫌だな。だからその辺りの話も調べないといけない」
そう正人が言うのを聞きながら俺は、
「分かった。そっちの方は俺も探してみる。……俺ばかりが安全な所にいてすまない」
「謝らなくていい。あの時は浩二には力が無いと思っていたからな。無駄死にさせるよりは、そこにいた方が安全だと思ったが……予想外の話が収穫できたな」
嘆息する正人の話を聞きつつもそこで織江が、
「それで魔王の副官を一発で倒したあの銃みたいな魔道具、私達にももらえないかしら」
「入り口が小さいから……いや、物を縮小して入れられる袋のようなものがあれば送れるか? でも魔力を結構使うと思うが、どうなんだ?」
「そういえば浩二の魔力ってどれくらいなの?」
聞いてきた織江に俺は自分の魔力の総量を告げる。
織江たちが沈黙した。
俺、何か変な事を言ったのかと思ったが、多すぎて凍り付いたようだ。
そして、強力な武器ではあるが、もう少し威力を落とした使いやすい武器はないかと、正人に聞かれる。
「欲しい武器があるなら作る。材料があればだが」
「武器の強化は出来ないか? 使っている武器が結構扱いやすいが大分、ぼろぼろになっているんだ」
「……だが繋がるのがこの四角い領域か。“時織の石”、それの大きいものが手に入ればもう少し大きな転送ができるんだが」
俺はそういいながら、もっと大きなものをそのうち探せないかと思った。
それさえあれば、転送がはかどるのだから。
するとそこで正人が、
「欲しい“時織の石”はこれでいいのか? たまたま戦闘の時に手に入れたものだが」
「もっと近づけてくれ、見えない」
そう俺が伝えると、小さな資格にはみ出るように見せてくれた。
そしてニャコに確認してもらうとそれは本物であるらしい。
これさえあれば、もっと大きな転送の道具が作れる、俺はそう確信した。
「となるとこれをこちらに送ってもらう必要がある。そうすると駄目か……まてよ?」
そこで俺は俺の作った縮小して入れるボストンバッグを思い出す。
あれの更に小さい版を作ればいいのではないか?
「思いついたから、調べてみよう。織江、一時的に接続を切るが構わないか? 調べたいことがあるんだ。あ、石は回収してくれ」
そう伝えると石がひっこめられる。
それを確認してから、織江たちの方との接続を解除し、俺は検索を開始したのだった。
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