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“ステータス・オープン”

 まずステータスを確認することにした俺達だが。


「“ステータス・オープン”と」


 俺が呟くと俺の能力が空間に表示された。

 相変わらず、魔力の量はギルドの……そう俺が思っているとそこでニャコが、


「こ、これは何の魔法ですか?!」

「“ステータス・オープン”の魔法だ」

「ギ、ギルドの測定能力がこのように」


 ニャコがそう言って、じっとそこを覗き込んでいる。

 まあいいんじゃないかな、と俺が思っているとそこでアリアとフラウが覗きに来て、


「能力がこんなに簡単に分かるんだ」

「面白いですね、これもまた参考にしましょう。あれ?」


 そこでフラウが不思議そうな声を上げた。

 どうしたのだろうと思ってフラウを見ているとそこで、フラウが指を伸ばす。

 よく見ると何かの薄い透明な髪のようなものが張り付いていて、はがれかけているような……そんな部分が、俺の“ステータス”にある。


 しかも摘まめるらしく、フラウがそれを摘まんで引っ張ると、ぺリぺりと音を出してはがれていく。

 まるでシールのようなそれだが、はがしていくと俺の魔力に数値が現れる。

 それも、俺が自分で測定した方の数値だ。


 その数値の下では、この世界のギルドでの測定値を優先させましたがこちらが本当の数値です、と書かれている。

 ……なんだこれは。

 あまりな展開に俺が固まっているとそこで、離れた場所にいる織江の声がした。


「……浩二、そういえばさっきから浩二の周りで“女”の声がする気がするの」

「え、えっと織江、どうしたんだ急に」

「……答えて」


 いつになく冷たい声の織江に俺は凍り付く。

 そこで更に声が聞こえた。


「なんだと? 浩二が俺達が大変な思いをしている時に女の子のハーレムを作っていたと?」

「浩二、ああ見えておく手だと思ったのに、異世界に来たから変わってしまったのかしら」


 正人と瞳がそう言っているのが聞こえる。

 いや、ハーレムとかそんなものではなくて、と思っているとそこで織江が、


「浩二、きちんと私にもわかるように説明して。ね?」

「織江、なんだか……怖いんだが……」

「……」


 俺の言葉に織江が沈黙した。

 この静けさが俺には恐ろしい。

 どうしよう、どうすればいいんだ? 


 そもそもこれ、ニャコやアリア、フラウが俺のハーレム要員としてとらえられていないだろうか?

 それはそれでそっちも誤解を解いておかないといけないような、と俺が思っているとそこでニャコが、


「ハーレムですよ! 何しろ私は浩二に寄生して、衣食住を面倒見てもらってますから」

「……寄生?」

「はい、お腹が空いて行き倒れていた所を浩二に拾ってもらって、便利そうなので寄生しました」


 ニャコの容赦ない説明。

 間違ってはいないが、そう言うとダメ男っぽく聞こえるのでもう少し言い方はないだろうかと俺は思った。

 するとそれを聞いた織江が、


「……浩二がそんな風に精力的に女の子を集めるわけがなかったね。うん」


 何故か納得されてしまった。

 だが俺としてはそんな風に納得されるのはあまり、嬉しくないなと思ったがそれ以上は言わずに黙っているとアリアとフラウが、


「初めまして、私はアリアと言います。ニャコの友人で、浩二には現在雇われているといった形です」

「雇われている?」

「ええ、魔道具の材料を手に入れる関係でダンジョンに潜らないと行けなくて」

「なるほど。確かに仲間が必要ですね。そうですか、そういった理由ですか……よかった」


 ぽつりと織江が何かを最後に付け加えた。

 だが俺にはよく聞こえなかったので聞き返そうと思っているとそこで織江が、


「それでどうして浩二が戦うための武器なんかを持っているの? お城で不自由ない生活をしているはずでは?」

「それがな……」


 そこで疑問が浮かんだらしい織江に俺は事情を話したのだった。


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