売ってきました
こうして俺は、“マキナのナイフ”という物を手に入れた俺は、一体どれくらいで売れるのが相場なのかをニャコに聞く。と、
「売るとしたら……そうですね一本、2856円くらいですか」
「……そうなのか。とりあえず15本になるから……ちょっときりの良い数字にして45000円くらいでいいか。そこから交渉だな」
といった話になる。
どうやらこの世界の言語は日本語で翻訳されているらしいなと俺は思った。
そしてそのナイフを武器屋に売りにいくも、やや買いたたかれて、2500円程度にされてしまう。それでもそこそこのお金を得た俺は、
「廃材の費用を考えても三万円程度か。もう少し利益が上げられそうな武器や、俺達の装備も整えたいな。ニャコ、そういったものはないか?」
「うーん、強力な武器は、貴重な材料が必要になるので必然的に高くなりますしね……。利益が出しやすそうな道具についていくつか思いつくものがありますから、それらの材料を購入しましょう」
「この三万円で足りそうか?」
「……この範囲で買って増やしてその利益でまたといったように膨らませていきますか。紙とペンが欲しいですね。計算しないと」
といった話になりまずは紙とペンを購入する。
宿に戻り、ニャコが呻きながら手動で計算している。
計算機みたいなものは作ったら売れるかなと思いつつそこで俺は、さっきのナイフの残りの黒い塊を見る。
この黒い塊は不純物だろうが、こういった部分に貴重な成分が微量に入っていたりしないだろうか?
成分を簡易分析できるよう魔道具を作れないか、と考えて検索をかけていると、
「よし、次は“ララレの実”を使ってちょっとした髪飾りのようなものを作りましょう。上手くいけばただで木の実が手に入ります」
と、ニャコが言い出したのだった。