ソウイウワケデハ
フラウが楽しそうに俺に言うが、俺としては気になる言葉を聞いた。
「勇者の末裔?」
「そうそう、その昔魔王が現れた時に戦った勇者パーティの末裔なんですよ、私とアリアは」
「そ、そうなのか。フラウは魔法使いの末裔?」
「正解です。そしてアリアは一緒に戦った斧使いの末裔です」
嬉しそうに話すフラウを見ながら、俺はアリアを見た。
線の細いというか女の子らしい体つきをした美少女である。
そんな彼女が巨大な斧を担いでいる様子を想像した俺は、それはそれでありのような気がしないでもなかった。
そこでアリアが半眼で、
「今変な想像をしたでしょう」
「そ、ソウイウワケデハ……」
「声が裏返っているわよ。ま、兄さん達は皆筋肉ムキムキで大きい斧を振り回しているから、そんな想像になるのはなれているんだけれどね」
「……アリアは斧を振り回せるのか?」
「回せるけれど、それがどうかしたの?」
「どうして剣に?」
「剣の方が可愛いから」
この時俺は、男女の間にある考え方の違いについて真剣に考えたくなった。
だがその話は置いておくとして、
「えっとこの話は他言無用でお願いします」
「分かっているわよ」
「わかっています」
「くくく、また一つコウジの弱みを握ったのです」
黒い事を呟いたニャコに俺達の視線が集まる。
それに俺はふうと大きく息を吐いてから、
「こんな危険な寄生する女の子は、放り出すか」
「やだ~、冗談ですよ~、ってなんで私の手を掴んで部屋の外に……冗談、冗談ですからぁああああ」
そう、ニャコが騒いだのだった。