末裔
本当の事を話す、俺はそう決めた。
でもどこから話そうか、と俺は考えてから、多分初めからの方がいいだろうな、とは思う。
ただそこで俺はアリアたちはこのまま分かれるのだろうかということに気づいた。
それならば離れた何処かで俺の話をしてしまうかもしれないが……離さないように尾根がしてみるか。
でもこれからの事を考えると彼女達の力は借りたい。
戦闘の仕方自体が俺には分からない。
だから、
「これからもしばらく旅をしようと思うんだが、アリア達はやとわれてくれるか?」
「行先に寄るわね」
「そちらに俺達も行く形でもいいか?」
「……いいけれど、目的の場所はないの?」
「目的はあるけれど、まだ、手掛かりすらない状態なんだ」
「そうなの? 何を探しているの?」
そう聞かれて俺は、どうしようかと思った。
ここは素直に言うべきか。
少なくとも一緒に来てもいいと彼女は言っている。
それならば、
「……“異世界に戻る方法”だ」
それを言った瞬間、三人は沈黙した。
次にアリアが、
「なるほど、それは異世界召喚による力だったと」
「そうだ」
「あまりこの世界の知識がないのもそう」
「そうだ」
「私達に話してしまってもいいの?」
「……二人とニャコは信用できると思ったから。他言無用でお願いします」
そう俺が答えると、アリア達は全員沈黙してしまう。
それからフラウが、
「でも、凄い偶然ですね。私達のご先祖様も、異世界から召喚した勇者達と戦ったのにこんな所で末裔の私達が、異世界の人に会えるんですね」
と、嬉しそうに言ったのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。