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違う

 何かがいる、そう言われて俺はびくっと震えた。

 今までとは違う雰囲気。

 それを感じ取ったのかもしれない。

 

 そこでそっと様子を見たアリアが、小さく呟いた。


「ドラゴンではないわね。……“火オオトカゲ”の一種みたい。でもあれもドラゴンともいうくらい強いのよね。何せすばしっこくて、その口から吐き出す炎は相手を一瞬にして相手を飲み込むもの。でも今は眠っている」


 小さく呟いたアリアだがそこでフラウに、


「あの魔物、確か倒すと魔石以外にも皮が手に入ったわね。それで防具を作ると、かなり品質の良い炎耐性がついたはず」

「そうですね。出来れば欲しいですね」

「よし、寝込みを襲うわ」


 などと言いだした。俺としては、それってどうなんだろうと思っているうちにアリアとフラウが攻撃を仕掛ける。

 武器も俺が強化しておいたし、防具もそこそこいいものにしたので大丈夫だろう、その時はそう俺は思っていた。が、


「これ、本当に“火オオトカゲ”なの?」


 剣で切り裂こうとしたアリアが、傷すらつけられずにいて、何度も切り付けている。と、


「“炎夏の悪意”」


 フラウが杖を振り、大きな炎の塊を打ち付ける。

 先ほど巨大な氷をぶつけていたが何の効果もなさそうだったので、炎の魔法に変更したらしい。

 だが影響は全くない様だ。

 

 と、先ほどからの攻撃に気付いたのか、その魔物はゆっくりと起き上がる。

 大きさは俺の二倍くらいの背があるように見える。

 大きなトカゲという印象だが、その瞳は緑色だ。と、


「おかしいわ。“火オオトカゲ”の瞳は赤いはず!」


 アリアが悲鳴のような声を上げた所で、そのトカゲの口から炎が吐かれたのだった。

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