未知ルート探索中
その道のルートでも、それまでに出会ったような魔物が幾つも現れる。
それをアリア達が次々と倒していくので問題はなかった。
その魔石を拾うのも。
問題なのは、この道のルートは人の手が入っていないらしく、多くの鉱脈? と呼ばれるものが、ダンジョンの壁面に露出している点だった。
それらは有用で、しかも購入となると難しかったり、値段が高かったりするものばかり。
都市近郊のものなのでそんなにいいものは残らず、ダンジョン内に満ちる魔力から生成されたとしてもすぐに見つけた冒険者によって持ってかれてしまうため、手に入りにくい。
だから現在のこの状況は良いものを手に入れるには非常に都合がいいのだが、そこでニャコが、
「コウジ、コウジ、あそこにあるのは“ボロサまだら石”です。そしてあっちは……」
「それらはさっき採ったのでは」
「貴重な品なので、取れるだけ手に入れましょう。そのバッグに幾らでも入りますし」
といって俺の収納バックを見るニャコ。
これがあるから幾らでも取れますよね、ぐへへへへ、といっているように見える。
だがこうやっていろいろなものをひたすらとって遅々としておくに進めないのは問題だが、それよりも問題なのは、
「“時織の石”は見つからなそうか?」
「珍しいものですからね。特徴的ですからあればすぐに気づきますよ。あ、ここにあるのは……」
とニャコが言う。
今更ながら、こういった鉱物採掘用の道具や探査用の道具を作っておくべきだったとお俺は思った。
それがあればもう少し楽にものが手に入るし、あてどなく“時織の石”を探す必要はない。
そんな後悔は後からやってくる状況がしばらく続いていき、そろそろ採掘はほどほどに、と思った所でアリアが立ち止まった。
「……強そうな魔物の気配がするわ」
そう呟いたのだった。