ダンジョン内部
こうして俺はダンジョンにもぐる事になった。
途中で出会った冒険者が、今日は魔王軍は見かけていないが、二日ほど前に見かけたから気をつけろよと親切にも教えてくれた。
ただ、アリア達と話したかっただけかもしれないが。
そしてダンジョン内に入っていく。
暗くて明かりが必要な場所もあるが、所々に“夜光石”という水晶のような透明な石が色とりどりに発光していて、明かりのようになっていた。
だから洞窟内はそこまで暗くはない。
そう思いながら進んでいくと魔物と遭遇した。
蝙蝠のようなものが五匹程度いるも、いとも簡単にアリアが切り裂いた。
しかも次に現れた蛇はフラウが魔法で焼き尽くす。
倒すと魔力の結晶であるらしい魔石が手に入る。
それらを拾っていくのを見ていた俺だがそこでニャコが、
「アリア、魔石を幾つか貰えませんか? これもちょっとした魔道具になったはずですよ」
「いいわよ。どのみち雑魚だから大していい値段で売れないし……これをいいものに変えられるんだったらその辺りもお願いしたいわね」
などと俺を見る。そしてフラウも、
「こ、この魔石をどう扱うのか興味があります」
「……周りに人もいないし、試しに探してみるか」
といって調べていくと、爆弾のようなものが作れると分かる。
そこそこ威力があるので魔物い手にも重宝する、らしい。
しかもダンジョン内は魔力が通っているので、壁も崩れにくいのだそうだ。
というわけでさっそく作った爆弾を壁にぶつけてみたのだが……。
「……新しい道が出来たみたいなんだがどうしようか」
俺は、目の前に開いた新たなルートを見ながら、呟いたのだった。