女の子に寄生されました
この猫耳少女は獣人で、ニャコというらしい。
栗毛色の髪に緑色の瞳、黒い猫耳の彼女は、もともとは魔道具などを作るドワーフのもとで働いていたのだが、
「先日魔王を退治するためにとかで、うちのドワーフのおやっさんが強制的に徴収されてしまって、おかげで私の仕事が無くなって……路頭を迷ってお腹が空いて、何とか仕事をとお願いしたのですが、こういった人間の町はやはり獣人には厳しいですね。あ、もう一個いいですか?」
「……これで揚げ菓子、7個目なんだが」
「凄くお腹が空いていたんですよ! やはり食べられるときに食べておかないと」
「……こんなものばかりだと栄養が偏るからもっと違う物にしよう」
「! いいのですか!」
「……野菜入りのサンドイッチ二つまで」
「そんな~」
「では無しの方向で」
「野菜入りのサンドイッチ、美味しいですよね!」
といった会話をしつつ、近くの別のお店でサンドイッチを購入。
野菜と鳥らしきを挟んだもので、結構おいしいのは良かったと思う。
自動的に夕食になったので美味しかったのは良かったがそこで、
「よし、これはもうご主人様になってもらい寄生してご飯にありつこう」
「……」
「ああ、たった幾つかの揚げ菓子とサンドイッチで私はいいようにされてしまうのですね!」
「……何だか俺、この人は無害だ! 危険はないと男なのに思われた気がする」
「はい!」
「……それでニャコ。食べ物と住処に関しては俺は提供できる自信がある。ただ、手伝って欲しい事があるんだ。魔道具関係なら、詳しいんだろう?」
「一応は。材料であったりどんなものが幾らくらいで売れそうなのかとか」
それがどうかしましたかというかのように、ニャコは首をかしげたが、これこそが俺が今一番欲しているものそのものだったのだった。