どうせならいいものが欲しい
次に作ったのは、なんでも入る魔法の袋だ。
しかも重量は1㎏固定である。
これなら持ち運びが便利でいい。
「斜めにかけるボストンバックみたいなものが良さそうか。そうすればそこそこ大きくても変に見えないだろう」
この世界では目立たないように行動したい、と俺は思う。
それならばこの方法が一番いいかもしれない、そう思いながらそれを選択し後は特殊能力を使う。
一瞬にして、黒のボストンバックが完成した。
「よし、これで後は魔力などが回復するドリンク製造機、俺でも使える武器に、連絡道具か」
まずは小型のドリンク製造機を検索する。
材料は瞬時に出て、その幾つかは貴重品でもあるらしい。
なんでも“時織りの石”という物があると、最高級の回復ドリンクが出来るそうだ。
どうせならいいものが欲しいよなと思って、他の材料も一通り見て、ニャコに以前渡した紙とペンで記入していく。
何だかよく分からないが、こちらの言語に勝手に変換してくれているらしいと俺は自分の書きだす文字を見てそう思った。
それから俺専用の武器について考えるも、
「武器なんて使った事がないからな。素人でも使えそうな武器について相談したいが……全員がこの調子だしな」
振り向いてベッドの方を見ると、未だに三人の美少女たちがだらしのない顔で眠っている。
これを起こすような鬼畜な所業は俺にはできなかった。
もう少し待ってからにしよう、そう思いつつも、銃や何かが良いのではと俺は思う。
それも後で相談だと考えて次は、
「皆との連絡手段だよな。スマホで電話できれば楽だが、というかスマホの電池が全然減っていないな。魔力的なもので動くようになっているのか……。それはいいとして、どうせなら空間と空間を繋げたりできないものか」
それが出来た方が、もしかして都合がいいかと思う。
だから俺はそういった魔道具があるかを調べ始めたのだった。