あやしまれる
よく物語などで女性の洋服を購入するシーンなどといった、女生徒の買い物に連れている男が、女の買い物は長いと辟易しているシーンを見たことがある。
俺としては、母親の買い物に付き合わされるのは大変だが、可愛い女の子といっしょなら彼女達の可愛い姿も見れて羨ましいと俺は思っていたのだ。
確かに初めのうちは可愛い女の子三人と一緒にお買い物を楽しんでいた。
褒める言葉は難しいものの、それなりには、心の中でハーレム妄想をする程度の余裕があった。だが、
「あ、あそこにアクセサリーのお店があります、行きましょう」
アリアが目ざとく雑貨のお店を見つけて、俺達に言う。
ニャコとフラウが目を輝かせて、ああ、俺はまた……と思って連れていかれる。
それからまたどの飾りがいいのかを見せられて、購入し、そこでアリアが、
「そろそろ昼食にしましょうか。お祭りだから変わった食事も手に入るわよ」
と言われて歩いていくとそこで俺は、栄養ドリンクのような瓶を大量に売っている出店に遭遇する。
なんでも傷を癒したり、魔力を回復したり、体を強化したりするものであるらしい。
値段もそこそこ高いが、ニャコの説明によるとそれでも安い方らしい。
なので魔力の回復率はあまり良くないそうだ。
そんなニャコの説明を聞きながら、こういったドリンクを製造する魔道具はないのかといった事を考えているとそこでアリアが、
「どんな田舎でもこういったドリンクみたいなものはあるはずだけれど」
「え、えっと、俺の田舎は瓶入りで売っているようなこんな感じではなかったから」
「……よほどすごい田舎なのね」
そうアリアが言ってフラウも訝しそうに俺を見て、だから俺は話を変えようと傍にある食堂に入るのを進めたのだった。