イイトオモウヨ
こうして俺は必要な材料を大量に手に入れた。
それも安価で。
これらの展開は嬉しいには嬉しいのだが、
「お、重い……一度宿に戻っていいか?」
そう俺が言うと、三人の少女達が目を瞬かせてから俺に渡してきた袋をフラウは見て、
「あの、その袋、そんなに重いですか? かさばるとは思いますが」
「え、えっと、重いかな」
「……魔道具を作れるだけの魔力があれば、身体がある程度自動的に強化されそうなものですが、それもないのですか?」
フラウが不思議そうに聞いてくるも、俺はよく知らない。
少なくとも俺は、そんな能力はない。
ただ一緒に召喚された仲間は肉体強化などもできていた気がする。
どうして俺だけはこうなのか、そう俺が思って黙ってしまうとそこでフラウが、
「あ、えっと、でも普通の人はそこまで体を強化できませんから、そうですね、一度部屋に荷物を置いてきてからまた見に来ましょう」
といった話をしたのだった。
それから部屋に戻り荷物を置いた俺はある事を思いついた。
つまり、ゲームなどに出てくるある一定の個数しか入れられない物の、かさばったり重くなったりしないあの、道具袋だ!
こうやって実際に動いてみると必要な物が分かってくる。
そしてスマホで材料を検索し、布などが必要と分かると、そのお店に向かった。
だが、
「コウジ、この服どうかな?」
「か、カワイイトオモイマスデス」
「コウジ、こちらの服はどうですか~」
「え、エッといいと思いますです」
「コウジ、あの、この服どうでしょう」
「せ、セイソデステキダトオモイマス」
布のお店は当然ながら、服も売っていた。
そしてそれらを試着するニャコ達に、これはどうかと言って見せられて俺は、俺は……。
「イイトオモウヨ」
自分の女の子を誉める語彙力の無さを痛感していたのだった。