寄りみち
無事、軍資金を手に入れた俺達はようやくお祭りに参加した。
今回は花のお祭りらしい。
これから沢山の花を綺麗に着飾った美少女たちが歩きながらまくイベントがあるらしい。
その花を手に入れると恋人が手に入るとか、今年は花が一杯つき収穫量が増えるとかそういった話があるらしい。
ただそのイベントはもう少し後なので、まずは必要な材料を購入しに向かった。
はずだった。
「こ、これは、“エリの魚”それの干物やらふりかけやら……く、これ好きですけれどここからは遠くじゃないと手に入らないし、買ってしまいましょう」
ニャコが干物を購入した。
次に、一緒に居た魔法使いのフラウが、
「こ、これは魔の砂漠と呼ばれる場所にあるガラス……“闇霧の硝子”。これは購入しておかないと。! こちらは!」
といったような状況だった。
ちなみにこのお祭りは三日間開催されるらしい。
なのでまだ時間があると言えばあるのだが、そこで魔法薬材料のお店の隣でアリアが、
「こ、これは、“ルディアの剣”しかもこのお値段、あ、こっちには……」
といったように立ちどまってみている。
そのすぐそばではニャコがアリアと一緒に武器を見ている。
そういえばこれといった装備をニャコはもっているように見えなかったが、売り払ったのだろうか?
「とりあえずここ周辺で手に入りそうな材料だけ、購入しておこう。あそこのお店はどうだろう」
というわけで三人の少女たちがおのおののものに夢中な間、俺は、必要な材料の幾つかを手に入れたのだった。