質屋へ
こうしてまずは、お祭りのための軍資金を俺は手に入れることに。
まずは質屋に向かう事になった。
この前言った質屋と同じ場所に向かおうとするとニャコが、
「今のうちに幾つか質屋を巡って、一番買い取り額が良さそうな所を探しましょう」
「それは確かに。でも値段が適正価格かは……ニャコに全部お任せでいいか?」
「お任せを」
という事でニャコにその辺りの交渉をお任せする。
そういえば取り分はどれくらいにしようかと俺は考えて、
「どれくらいがニャコの取り分にするかだが。今回は、そこそこの金額になりそうだから、俺が7でニャコが3でいいか?」
「……前から思っていたのですが、本当にコウジは魔道具の作り方は知っていても、値段は知らないのですね」
まったくというかのように嘆息された俺だが、そもそもこの世界に来たのはほんの数日前なのだ。
知るわけがない。
それにアリアとフラウが、疑惑の目……ともいえるような探るような目で俺を見てくる。
何かいい、言い訳はないだろうか。
必死になって考えてみるが俺は思いつかなかった。
するとそこでニャコが、
「まあそうでないと私が本当にただ寄生しているだけ……いえ、それはそれで楽でいいのですが、私のアピールポイントが減りますね。そしてこの能力を生かして、コウジが私無しではいられないようにしてしまいましょう」
黒い笑みを浮かべながらニャコが何か画策している。
俺ももう少しこの世界の魔道具や材料、値段についてわかるようになった方がいいかもしれない。
「魔力測定機に、他の効果もつけて多機能化するか」
小さく呟き俺は決める。
それから三つほど質屋をめぐり、そこまで高くはないと言っても量があったので、俺達の魔道具はとてもいい値段になったのだった。