帽子を購入
こうして俺達はお祭りに向かう事になった。
お祭りの場所は何処なのかを聞くも、
「あそこに張り出されているから場所を見ましょう」
アリアが指さした先の掲示板。
そこに地図のような紙が貼られている。
どの通りと、どの通りがお祭りの場所で出店などが許されるのかといった内容が書かれているようだった。
それを参考に俺達は移動しようと思ったが、そこでニャコが、
「あ、人が多いので帽子を買っていいですか? ここは人間が非常に多い国なので」
目立たないように帽子をかぶる方がニャコは良いと判断したらしい。
しかもすぐそばに帽子のお店がある。
そこで、安いが白いリボンが印象的な青い帽子を購入する。
と、そこで先ほど作った魔道具の一つを帽子に着けてニャコはかぶり、
「コウジどうですか?」
「可愛いんじゃないかな」
「もう少し、女の子を褒める言葉を練習した方がいいですよ。その方がモテます」
「なん……だと……」
「あ、でもご主人様なコウジの争奪戦が大変なことになりそうなので、コウジはこのままでいいです」
ニャコが楽しそうに笑うが、俺だって男なのでモテたい。
女の子ハーレムが欲しい、というかちやほやはされてみたいのだが……。
でも女の子を口説くのってどうやればいいんだ? と思わなくはない。
などと悩んでいるとそこでアリアが、
「いいわねその髪飾り。前はニャコのお師匠様の所で融通してもらっていたけれど、他のはどうも質が悪いし、すぐ壊れちゃうしでもう手元にないのよね」
「ならあげるよ。そんなに手間もかかってないし」
俺がそう言うとアリアが変な顔になった。
「これは結構、需要のある魔道具だからそんなに高くないけれどそこそこ値段がする物よ。気軽に上げるものではないわ」
「そうなのか? だったらこれをアリアとフラウにあげておこう」
「……私の話、聞いていたの?」
「今度町の外に戦闘に行くときに必要になるかもしれないから、これも前払い料金てことにしておくか?」
「……そうね、それならいいわね」
「よし、交渉成立。そしてこれも先に売っておいて、別の材料を購入する資金にするか」
そう俺は決めたのだった。