挑発された
こうして俺は女の子達に“安全な男”のレッテルを張られてしまった。
「俺ってそんな男らしくないのか」
「そ、そんなことありません! すみません、ソファに寝るよりもベッドの方が寝心地がいいだろうって話になって、止めて頂いているのに悪いからといった話をしていたら止められなくて……申し訳ありません」
と、この中で一番良識的なようなフラウが、本当に申し訳なさそうに言ってくる。
こういわれてしまうと俺としてもそれほど強く言えない。
そもそも、俺自身が“良い思いをした”事には変わりはないのでそう言われてしまうとこう……と俺が思っているとそこでフラウにアリアが、
「でも本当に何もないとは思わなかったわ」
「俺の鋼の精神が何とか頑張っただけです」
「そうかしら、男ならもう少し……ね」
アリアがそう言って不敵に笑う。なので、
「お、俺だって男だからケダモノのように襲ってやるぞ!」
「いいわよ、いらっしゃい」
不敵な笑みで、襲って来いと手招きして挑発するアリア。
フラウは止めなよと止めているが、ここまで挑発さえれば俺だって……俺だって……。
「ちなみに襲い掛かって失敗した場合はどうなるのでしょうか?」
「痛い思いをすることになるわ」
「……やっぱり俺のためにも女の子達はこの部屋から追い出すか」
考えるのを放棄し、俺は女の子たちを部屋から追い出すことにした。
もうこれで何も考えなくて済むぞ~ふはははは。
と思っていた俺にアリアとニャコが、
「冗談だから! 本当に信頼できそうか見ていただけだから!」
「そ、そうですよ、私の知識が必要なんですよね!?」
「……俺、人生に疲れたんだ」
そう言いながら三人を部屋から俺は追い出そうとするとそこでフラウが、
「そ、それならばベッドをその、魔道具を作る要領で作ってみてはいかがでしょうか」
そう提案してきたのだった。