はさまりたい
そんなこんなで、アリアたちの宿が満室なので、早めにこの宿もとった方が良いのではと話すと、アリアが言いにくそうに、
「実は明日、この町で盛大なお祭りが開催されるの。そのせいで何処の宿も満杯だったのよ。忘れていたわ」
「そうだったのか。となると俺達は運がいいな。それで宿が満杯だとここに来ても無理なんじゃ……」
「だから追加料金払うからここに泊めてもらおうと思ったの。しばらくここに滞在するから一週間分は前払いしてあったって、宿の人に聞いたから。その頃にはお祭りは終わっているだろうし」
「確かに……でもここ、二人部屋だろ?」
「雨と風がとりあえずしのげればいいから、お願いできないかしら。その分、近場で採れるよう魔道具の材料があるなら、そのお手伝いとして護衛の料金は安くしてもいいわ。ね、フラウ」
「は、はい。それにここなら魔道具の変わった作り方も見れますし。魔法使いに浜津具はある意味で必須でもありますから」
とフラウの方もそういう。
そういった事情だと、この寒空の中女の子を放り出すのもどうだろう、という事で事情を話して料金を支払い―ー割引してもらえた、のもあり、アリアたちは安い料金で泊まることに。
そして女の子三人がベッドで俺は傍にあったソファーのようなものに横になることに。
悪いからと散々言っていたが、女の子を床に寝かせて俺がベッドでというのもなんかこう、違う気がするのだ。
ただ、三人でベッドに眠っているニャコ達を見ながら、あの中に挟まりたいな、という思いが俺の中によぎったのだった。