表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/83

目撃者

 こうして宿に戻ってきた俺だったが、早速材料を床に山盛りにして置く。

 形の差はあれど、大量の髪飾りが出来る事は間違いない。

 そしてどの魔道具というか、先ほどのニャコのいった魔道具を探してみるが、


「材料からの検索もできるみたいだ。後でそれも試してみよう」


 そう思って俺は、幾つか“ララレの実”の殻を寄せてから、写真を撮る要領で特殊能力チートを発動させる。

 一瞬それらが光に包まれたかと思うと、後には大量の小さな花の形をした髪飾りが山盛りになっていた。

 そう、花の形をした……。


「花の形とか、俺、つけたくないんだが」

「そうですか? あ、女装をすれば問題ないのでは」

「却下で。それでニャコはつけてみないのか?」


 俺は全力で話をそちらにもっていった。

 何が女装だ。

 俺様、女の子よりも美し~♪ などと思えたらもっと人生楽に生きていけるかもしれないが、平凡な容姿なのは自覚がしているし、女装した所で彼女が出来るわけではない。


 少なくとも彼氏は欲しくないので、俺は、これは装備しないことに決めた。

 と、そこでニャコが両方の猫耳の下に髪飾りをつけて、


「どうですか、似合いますか?」

「そうだな。可愛いな」


 ニャコは嬉しそうに笑った。

 それを見ながら俺は、女の子の笑顔はなんだか照れ臭くなるなと思っていると、そこで入り口のドアから、何か音がした。

 見ると見覚えのある人物がいて、どうやら俺は鍵を閉め忘れたらしい。

 

 しまったなと思いながら俺は、


「何でここに、アリアとフラウがいるんだ?」


 そう問いかけるとアリアが、


「ま、魔道具作りを見に来たのと、私達が泊まっている宿屋が満杯で空いている部屋がなかったのよ!」


 と、どう考えても後者の理由でここに来たようにしか思えない。

 そう俺が思っているとそこでアリアが、


「で、でも今の魔道具の作り方は初めて見る物だったわ。貴方は一体、“何者”なの?」

「……見てしまったな」

 

 俺は、そう、目撃者であるアリアとフラウに告げたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ