“ララレの実”1000ミリグラム配合
こうして逃げ惑う“ララレの実”を文字通り収穫した俺達。
この果実はそのまま売っても、高値が付くのだが、かたい殻を割り保存性を高めるともっと利益率がいいらしい。
とはいえ本当に美味しい果実らしく、俺以外の全員が購入していた。
一度水に入れるとそれ以上は逃げ無くなるらしく、動かない。
それをナイフを使って割ると、白い果実が現れる。
もっとも、その中に入っている種も結構大きなもので、可食部はそれほど多くないらしい。
また、とても香りと味が強いため、乾燥させたものは他の果実のミックスジュースにして販売されているらしい。
例えば、“ララレの実”1000ミリグラム配合、とか。
「1000ミリグラム、それって一グラム……いや、よそう。無粋な突込みは」
俺はそれを聞いた時、なんだかなと思ったが、ニャコに無理やり食べさせられた果実は実は結構おいしくて、敗北した気持ちになった。
それから、依頼終了のスタンプを、雇い主というかここの農園主に、依頼の紙に押してもらってから、この果実の殻を幾らかもらっていく。
今日は俺、結構頑張ったのと、今は大量にとれる時期だそうで果実の殻を大量に手に入れる事が出来た。
後はこの殻を使って魔道具を作るだけだ……そう思っているとそこでアリアに、
「今日はニャコと一緒に居られて楽しかったわ。そういえばどこの宿に泊まっているの?」
ニャコが俺達の宿を説明して、そしてギルドでまた何かあったら私達を雇ってねとアピールされて、その日は別れた。はずだった。