別の依頼所へ
普通っぽい魔法使いの女の子。
しかも可愛いようだ。
そう思ってみているとそこでアリアが、
「なんでじろじろフラウを見るの?」
「え? いや、魔法使いに興味があって」
「魔道具が作れるのに魔法使いが珍しいの?」
「う、それは……」
まさか異世界の魔法がない世界から来ました、なんて言えない。
しかも勇者たちの仲間でしたが能力がないせいで城に残ることになったのに、追い出されたとか……。
今の状況を知られるわけにはいかないが、上手い言い訳も思いつかなかったので黙ることにした。
それに気づいたらしくアリアは、
「まあ、悪い人間ではなさそうだからそれ以上は、詮索しないわ。それで、“ララレの実”の収穫の依頼だったかしら、見に行きましょうか。フラウ、いいかな?」
「構いません。むしろ私も収穫のお手伝いして、とれたてをいくつか購入したいくらいです」
「そういえばフラウの好物だったわね、あれ。逃げ足が速いから捕まえるのが大変だけれど、美味しいものね」
頷くアリアだが、俺は今何か妙な事を聞いた気がした。
逃げ足が速い?
嫌な予感がする、そう俺が思っているも、ついぞその時は聞きだすことが出来ずにいた。
それから俺も含めてジュースを飲み終えて、町に出る。
ギルドから出て、商店街を一つ抜けるとそこには、ギルドのような建物があった。
「ここにそう言った収穫のお手伝いといった、戦闘以外の仕事があるの。安いけれど、ちょっとしたお金になるから利用する冒険者も多いの」
「案内してくれてありがとう、助かった」
「ニャコの恩人たちだし、フラウがこの収穫の依頼に乗り気だし、ちょうどよかったのよかったの」
アリアがそう肩をすくめ、それから俺達は依頼を受けたのだった。
風邪をこじらせたため、しばらくゆっくり更新になります