女は愛を求めた
ここで書いた神話の一部を他の小説に出そうと考えてます
ご感想を宜しくお願いします
あるところに神様がいました
その神様は人間の事を愛していました
そして人の願いが叶える事がとても大好きでいつも切なる願いに耳を傾けていました
そこに悲痛な声が聞こえてきます
女の声です、まだ若い、とても未熟な女
人々から蔑みの視線と暴力の嵐に晒された可哀想な弱き女
長い髪を振り乱し
月を見上げ女は涙に溺れ嘆きます
「なぜ、私は愛されない…どうして」と
その女は世界のあらゆる愛されるモノを憎く思い同時に絶え間なく憧れを抱いていました
「闇に優しい光を与える月のように私は誰よりも美しく強く愛されたい」
神様は嬉々として女の願いを聞き届けました
美しく強く愛されるモノに女をさせたのです
女に待っていたのは欲にまみれたモノでした
女が微笑めば
女を愛するもの達の歓喜の声があがり
女が憂い顔を見せれば
女を愛するもの達は慰めようとして国が傾き
女が一つの石を望めば
女を愛するもの達が宝石の山を積みあげ
女が小さく愛を求めれば
女を愛するものたちの意味の無い争いが産まれました
王の眼は曇り
血で街は染まり
人々の心は荒れ果て
知識に満ち溢れた国は途端に落ちぶれ腐ったのです
他国の人間は女を畏怖の念を込めて魔女と称したのです
そんな狂いに狂った暴挙を止めたのは誰でもなく女自身でした
他人が思う愛の形と自分の思う愛の形が大きく違い、苦しみ
己が願った浅はかな嘆きの思いを愚かしく思ったのです
「どうか、どうか、私をお許しください」
女は1人寂しい孤独の森の中で自分の命の火をか弱く吹き消したのでした
嗚呼、何故だ、何がいけなかったのだ
神様はそう言葉にして
女の魂を優しく抱き上げました
その森は今も魔女の身体が眠ってされると時が流れた今も語り継がれているのです