07 美華「この展開二度目」
お久し振りです。これだけ放置しとったのにお気に入り登録してくださった方々、ありがとうございます。
新たにR15のタグを追加した理由は察して下さい。
一体どういうことなの。ここは確かに武道場のはず。何でまたこんなことになっちゃってるのん?
「ね、ねえ美華ちゃんも見とるんだし、もうやめてよ優姉ぇ」
「そう言いつつ余計興奮してるのはどこのどいつかなぁ?」
「やあぁぁあっ」
優奈が不敵に笑いながら里奈の胴着に手を突っ込み、里奈は里奈でまんざらでもない様子で頬を上気させている。というかこの手の展開二度目じゃないですか? ちょっとやだ嫌な予感しかしないんだけど。
「何か入りたそうな顔してるなあ美華。遠慮は要らないぞ?」
やっぱそうきたかぁぁぁぁあ! 何なのこの人たちっ!
「いや、私は……」
「そう言わずにほらっ」
優奈が私の制服のリボンを一思いにほどく。しまった。今日は暑そうだからってブレザーの上着を着てこなかったのが失敗だった。そのまま優奈の手がシャツのボタンに走る。
「ちょっ、優奈」
「ふうん。里奈ほどじゃないにしても、なかなか大きいじゃん」
優奈が耳元で喋りながら一つずつボタンを外す。そんなところで喋らないでよ。と、吐息が熱い……よ。
「な、何がぁ?」
「分かってるくせに。ここだよ」
「ひぁっ」
優奈の手がはだけたシャツの隙間に入り込み、私の双丘のてっぺんを弄ぶーーって、何でそんなとこまで!? せめてブラジャー越しにしてよっ! ……いや、ブラジャー越しも嫌なんだけどさ。
「いい声。こっちもゾクゾクしてきたに」
「や、やめえぇ……ん?」
胸に走る電撃のようなスパークとは別の柔らかいものが、私の左腕に巻き付いている。
「美華ちゃんばっか優姉に弄ってもらえていーなー。もういっそ美華ちゃんに弄って欲しいなー」
はあぁ? 何でそんな発想になるの? バカなの? この子バカなのっ!? っていうかそんな余裕、私にはーー
「んっ……美華ちゃんの指、細くて滑らかで気持ちいいっ」
里奈が私の手を自らの袴の中に突っ込み、そしてーーって私はどこを触ってるの!? 手の甲には薄い布の感触が。ということはまさかっ!
「……っ! やぁ、ん」
いつの間にか私のシャツは肩から抜かれ、そしてあらわになった胸に優奈の顔が。自分では決して味わうことの出来ない感覚に、頭の芯がカッと熱くなる。
「二人とも、だめぇ」
里奈の中に入った指が湿り気を帯びる。それを感じたら自然と自分のそれを意識してしまい、余計震える。もう私、おかしくなっちゃいそう。
「……三人とも何やっとんの?」
遠慮がちな低めの声。入り口を見やると、ドアの蔭から姫乃がほんのり赤く染まった顔を覗かせていた。
「姫乃、これは……って二人ともやめっ……たすけてひめのー!」
「えっと、でも…………ってそうだよね! 助ける助ける」
良かった。やっと解放される。この際姫乃が『悶える美華を見てるのは楽しい』なんて恐ろしいことをボソッと呟いとったことはどーでもいいや。
「えっと、二人ともそろそろやめてあげて? 美華イッちゃ……死んじゃうよ」
「えーでもそんな美華を見てみたいじゃん。姫乃だってそう思うら?」
「そ、そうだけど。でも美華嫌がってるし」
お前ら…………。
「それに里奈ああなったらもう止まんないし」
里奈は顎を突き出し、声にならない声をあげている。私の指全体に生暖かいものを感じる。ええい、こうなったら!
「あっ、そこは……あああああっ!」
里奈の全身から力が抜け、仰向けに倒れた。胴着の隙間から覗く胸が、上下に激しく揺れる。……私が何をしたかって? それは訊かないでくれ。
ともかく皆が里奈に注目した隙に私は優奈の拘束から逃れ、シャツのボタンを全て着けた。
「はぁ……はぁ……そういえば姫乃、メグとは会わなかった?」
「うぇっ!? あ、あぁ恵美ね。何か職員室の前で先生と話してたよ」
姫乃よ。気持ちは分かるがそんなあからさまに目を逸らさないでくれ。
「それに先輩たちも来ないし」
「あぁ、何か三年生は学年集会あるらしーよ。さっき琴美さんからメールが来た」
「そっ、か」
そこそこ広い武道場には、赤面で俯いている姫乃に、興奮覚めやまない様子の優奈、痙攣して倒れている里奈。っと、衣服の乱れた私、か。ホント何なんだよこの状況!
「えっと、先輩たち待つ? それとも私たちだけで練習始めちゃう?」
「んー……待っとってもしょうがないし、やっちゃわん?」
「そうだね」
「おな……じくっ」
というか里奈はこんなんで練習出来るのか?
「じゃあ、始めちゃおっか」
「おう! 指揮よろしく美華」
「ちょっと待って何で私? そこは優奈じゃないのん!?」
「あー私そういうの苦手だから。里奈も姫乃も異論はないよな?」
里奈が片手をヒラヒラさせ、姫乃が小さく頷く。ああもうこうなったら逃げらんないわね!
「わかったわ。じゃあ皆ちゃっちゃと着替えちゃって」
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