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第16話

 玲奈が遺体を調べる。

 遺体は後頭部を殴打されていた。

 死因は脳挫傷である。

 死亡推定時刻は二日前だ。

「玲奈、手掛かりは?」

 俊が現場に入ってくる。

「これと言ってまだなにも」

 玲奈が遺体の向きを変えようとする。

「うーん……!」

 俊が遺体を仰向けに変えた。

 玲奈は遺体の服を調べる。

(ん?)

 内ポケットから手紙が出てきた。

 手紙によると、被害者は何者かに呼び出されていたことがわかる。

「お兄ちゃん、聞き込みしてきて」

「わかった」

 現場を出ていく俊。

 玲奈は現場を捜索した。

「ん?」

 陶器の破片を見つけた。

 玲奈は陶器の破片を拾った。

 現場を出ると、向かい側には物置があった。

 玲奈は物置部屋に入る。

(あれかな?)

 玲奈は台座に置かれた陶器を手に取ろうとした。

「重いな」

 重いが持てないわけではない。

 玲奈は陶器を調べた。

(欠けてる)

 玲奈は破片を合わせた。

 ぴったりと一致する欠けた陶器と破片。

 小島を殺害した凶器はこれで間違いないようだ。

「さてと」

 玲奈が部屋を出て階段を上る。

 登り切ったところで、俊がやってくる。

「どうだった?」

「いや、これと言って何も」

「黒崎様」

 メイドが現れる。

「お食事の準備ができました。一旦、調査を中断し、お食事をお済ませ下さい」

「ありがとうございます」

 俊と玲奈は食堂に移動した。

 毒島と見知らぬ男が二人座っている。

「えっと……」

「ああ、玲奈ちゃん。紹介しよう、弟の公義と息子の琢磨だ」

「雪菜さん」

 琢磨がメイドに声をかけた。

「なんでしょうか?」

「義隆さんが遺体で見つかったってほんと?」

「本当だよ」

 と、玲奈が答える。

「君は……?」

「ワシの客人じゃよ」

「父さんの?」

「ああ。涼子の死の真相を暴いてもらおうと思ってな」

「父さん……涼子姉さんは自殺だって警察も言ってたじゃないか」

「いいや、涼子は殺されたんだ!」

「まあまあ」

 と、公義が公昭をなだめる。

「すまなんだ」

(涼子さんが他殺だったなら、姿をくらました義隆さんが犯人なんだろうか? いずれにしろ、推理するにはまだ情報が足りなすぎる)

 玲奈は考えながら席に着く。

 隣に俊が座った。

「いただきます」

 食事を食べ始める玲奈。

「なあ、兄さん?」

 と、公義。

「なんだ?」

「涼子ちゃんが亡くなったの、一昨日だったよな?」

「そうだが?」

「義隆くんが姿をくらましたのも、その日だよな? ひょっとして、義隆くんが涼子ちゃんを絞殺したんじゃないか?」

「だが、彼は遺体で発見されたんだろ?」

「俺は兄さんを疑ってんだよ?」

「なんだと? ワシが義隆くんを殺したと言いたいのかね?」

「涼子ちゃんを溺愛していた兄さんならあり得なくもないかなって」

「貴様!」

 公昭が額に青筋を立てた。

「父さん、お客さんの前だよ。やめて」

「すまん」

 玲奈は考えた。

(そういえば、メイドさんはなんで地下に行くのを止めたんだろう? ひょっとして……。いや、まさかね)

 食事を食べ終える玲奈。

「ごちそうさま」

「玲奈ちゃん、メイドの料理は美味しかったかい?」

「うん」

「そうかそうか。それはメイドも喜ぶじゃろうな」

「それより公昭おじさん?」

「なんじゃ?」

「涼子さんと義隆さんってどうやって知り合ったの?」

「涼子からは、彼に一目惚れしてアタックして落としたと聞いておるよ」

「それ以前の義隆さんいついてはなにか知ってる?」

 空になった皿を下げているメイドの手が止まる。

「どうした雪菜?」

「いえ、なんでもありません」

 メイドは空の皿を回収する。


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