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第13話

 玲奈と俊、蓮の三人はけいゆう病院にやってきた。

 院長からの知らせで洋子の記憶が戻ったというのだ。

 三人は洋子の部屋に入る。

「俊、玲奈、それに蓮まで! 私、何でこんな所にいるの?」

「お姉ちゃん、警察署で襲われて運ばれたんだよ。あれから半月経ってる」

 洋子の脳裏に署で襲われた時の記憶が蘇る。

「そういえばそうだったわね」

「よかった、姉さん」

 と、蓮。

「あ、そうだ!」

 洋子は何かを思い出したように口を開いた。

「国家公務員一般職行政の大卒程度試験の結果が来てるはずなんだけど、家へ行って見てきてくれない?」

「じゃ俺が行ってくるよ」

 蓮が言った。

「お願いね」

 蓮は病室を出て行った。

「お姉ちゃん、国家公務員受けたの?」

「うん、麻薬捜査官になとうと思って」

「そうなんだ」

「姉さん、麻取は警察官並に激務だよ。大丈夫かい?」

「だって小さい頃からの夢だし」

「そりゃ頑張ってとしか言えねえわ」

 そんな事を話していると、蓮が戻ってきた。

「姉さん!」

「どうしたの?」

「姉さんの家が燃えてて!」

「え!?」

「消防呼んで戻ってきたとこなんだけど……」

「俊兄ちゃん!」

 玲奈は走り出した。

「待ってくれ」

 追いかける俊。

 玲奈と俊は86に乗り、洋子の家に駆け付けた。

 洋子の家は炎に包まれていた。

 炎が鎮火したのは、二人が来てから二時間後の事だった。

「俊、玲奈」

 蓮がやってくる。

「黒崎さんですか?」

 消防官が訊ねる。

「「はい」」

 俊と蓮が返事をする。

「通報をくれたのは?」

「私です」

 蓮が答えた。

「黒崎 蓮さん?」

「はい」

「失礼ですが、お仕事は何を?」

「栃木県で公務員を」

「お役所か何か?」

「デカをやってます」

「警察官ですか」

「はい」

「それなら話が早い。実は洋子さんの家なんですけど、火災調査官の話ではどうやら放火のようなんですよ」

「放火ですか」

 火元は玄関で、ドアにガソリンが撒かれ、引火されたとのことだった。

 蓮が説明を聞いている一方で、俊と玲奈は現場を見ている。

「ガソリンの臭いが残ってるわね」

「ああ」

「あら?」

 玲奈が玄関の外側につけられた防犯カメラに気付く。

「お兄ちゃん、あれに何か映ってるんじゃないかしら」

「そうだな。警備会社に確認してもらおうか」

 俊は警備会社に電話し、事情を説明して来てもらった。

「あのカメラの映像を確認したいのですが」

「わかりました」

 警備員がwi-fiに接続したノートパソコンで映像を確認する。

 映像には、フルフェイスを被った何者かが、ドアにガソリンを撒いて火を点ける瞬間が映り込んでいる。

「顔はわからないね」

「……………………」

 二人は映像から目を離す。


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