1、始まりの異常
「説明しよう!我が通っている、ここ日ノ本高校は広大な敷地面積を誇る選ばれた人間しか入ることが出来ない超難関高校だ」
「……おい、あいつ急に独り言をいいだしたぞ」
「マジかよ。超キモイな。離れようぜ」
ー放課後ー
「俺、もう学校辞めようかな」
「え、急にどうしたの?」と、俺のつぶやきに話しかけたのは狭山潤。中学からの友達だ。
「なぁ、潤。お前は今日の出来事を覚えているか?」
「今日あったことくらい覚えてるよ。……なるほど、廉は午前中にあった入学式のことで憂鬱になってるんだね」
「そりゃあそうだろ。あんなことがあったばかりなんだから」と、俺は今日の入学式を思い返した。
ー入学式の朝ー
「お兄ちゃ〜ん!潤くんが迎えに来たよ!」
「あぁ、今行く!」
妹の呼び声に返事をしながら俺、三澤廉は部屋に置いてある鏡を見て服装を整えていた。今日この日から高校生何だな……と、やべぇ潤を待てせてるんだった。勢いよくドアを開け階段を降り、玄関で靴を履いてると後ろから妹が駆け寄ってきた。
「行ってらっしゃい。お兄ちゃん」
「行ってくる。留守番よろしくな」と言ってドアを開けた。
「なぁ、潤。今日は昼には帰れると思うし、学校終わったら家に遊びに来ないか?」
「いいよ。午後からは暇だったから」
桜が咲き乱れる登下校を潤と一緒にここを歩くのが日常になるんだろうな、と思い感慨深い気持ちでふと目の前を見ると
爆音と共に学校の門が砕け散った。
「………………………は?」何か事故でも起きたのか?
すると、ジャージを着た先生が近づいて持っていたプラカードをひっくり返した。プラカードには≪ドッキリ大成功≫と書いてある……まさか⁉
「驚いたか(^_−)−☆」
「バカだろっ‼このためだけに門を破壊したのか⁉」
「我、一片の悔いなし」
「……………」頭の痛い人に出会った場合の対処法はどうすりゃいいんだ⁉誰か助けて下さい!
「ねぇ、そんなことよりこれ見てよ」
「そんなこと⁉潤、お前これから通う学校の門が壊されたっていうのにのんきだな!」
「これ、あそこに置いてあった机の上にあったんだけど……地図みたいだ」
「地図?なんでそんな物があるんだ」
……そういや、この学校めちゃくちゃ広いんだったな。迷子にならないようにか?そんなの入ってすぐの所に案内板でも作ればすむ話だと思うけどな。そう思いながら地図をのぞき込んで見ると、右下には≪宝の地図≫と書いてあり左上には建物の中に金色の星が描かれていた。
………………意味が分からねぇ。
「宝が欲しければ、これ俺を倒すことだな」と、ジャージを着た先生が前に立ち塞がってきた。
「先生、宝何ていらないんで式場を教えて下さい」
「教えてもいいが…普通に行けば死ぬぞ?」
「…何故ですか?」
「行き道には無数の地雷が仕掛けてある。地雷のセンサーを切るには宝の場所にいかないといけない」
地雷なんてどこから手に入れたんだよ。つか、学校に埋めんな。
「なら、宝の場所に行ってから式場に向かえばいいんですね」面倒くさいな。
「あぁ、だが気をつけろよ。宝の道にも地雷を仕掛けたからな」
「ふざけんなっ!!八方塞がりじゃねえか!」
「大丈夫だ。お前らなら辿り着ける」
「どこも大丈夫じゃねぇぇぇ!」
誰が死をかけて入学式に行くかよ!
「潤。帰るか……?」潤は屈伸をしていた。
「えっと……潤さん?もしかして行こうと思ってます?」
「え、だってあれ」指を前に出した先には同じ新入生が猛ダッシュで走っていた。
「「「うおぉーーーー!遅刻する!!」」」
「遅刻より生死を考えろよ!」すると、爆音が何度も聞こえてきた。何人もの犠牲が出たのか⁉
「先生!助けなくて良いんですか⁉」これはヤバイだろ!すると、先生は笑いながら言った。
「だって、危ないじゃん」
その後、入学式には新入生全員が遅刻した。
初投稿です。不慣れな所もありますが、気に入ってくれるように頑張って行こうと思います。