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PROPER  作者: 今日仰日ゞ
殺人鬼殺編
1/8

プロローグで御座流

 いつからだろうか、人類が年を数えなくなったのは。

 いつからだろうか、科学が止まったのは。

 いつからだろうか、俺が不安になったのは。


 基本的には人類は滅ぶべき、あるいは地球から消えるべきだと思う。しかし皆そういうことはわかっていても、自分は死にたくないだろう?これが人類の矛盾だある。

 それが集まればどうなるのだろうか。結果、人類は消えないし、滅びない。

 そんなことは誰だって知っていた。だから人類は、地球に頼ったのだ。

つまり「誰かが我々を滅ぼしてくれる」、そういうことになってしまうのだ。それは仕方の無いことだ。世界には仕方に無いことが沢山ある。

 しかしどうだろう、もし宇宙人がこの地球の人類だけを滅ぼしに来たとしよう。そうすれば私たち、人類はどういう行動をとるだろうか。簡単だ。抵抗する。それだけだ。

 つまり人間は結局矛盾だらけの生物なのだ。というか矛盾しないと生きていけないだろう。だって自分の背負っている「七つの大罪」で自殺してしまうだろう。

 それはどんなに年月を重ねても変わらない。もし変わってしまったら人類は滅亡する。

 ならば「人類が抵抗できない勢力が襲い掛かってきたら」、我々はどうするのだろう?

 俺は、また誰かに頼るのだと思う。ただでは諦めないだろう。いや、もしかすると俺達は、知らないうちに誰かに頼らせているのかもしれない。

 今回、俺はそれを学んだ。

「ええと、ああ違う違う。こうだぜ」

 俺は中学校で二年D組の教室で、七月六日、三時間目終了後、数学を友達の語尾 悟

に教えてもらっていた。

 間違ったら教えてくれる。別に頼っている訳ではないのに、いや解答までの経路は頼ったのだが。

 悟は俺の間違った答えの途中式と見られる数字を書き始めた。ん?なんかこの数字どっかで見たような…。

「これスーパーのチラシの半額商品の値段一覧じゃねぇか!!なんで覚えてるんだよ!俺もな!!!」

 つーか記号無いし!単位円だし!教えてくれるならちゃんと教えてくれよ…。

「候ってそういうことなんで知ってんだ?チラシのことだよ。俺はただ今日朝刊で見かけただけなのに、『なんでも知ってる御座流 候くん』っていう風に名付けるぞ」

「なぜに…」

 キーンコーンカーンコーン、とチャイムが鳴った。

「終わっちまったよ、休み時間。」

「サボっちまうか?」

 俺は冗談交じりに言った。

「えー次終坂の授業だぜ?サボったら殺されるよ」

「しゃーねーかぁ」

 こんな感じにちゃらんぽらんに生きていた俺(俺よりも悟の方がちゃらんぽらんな気もするが)、楽しけりゃなんでもいいって感じである。まぁ普通の人間だしな。

 ―とかそんな風に思っていた。というか思っていたかった。そうじゃないとまともに生きていけない。社会的な意味で。しかし、四時間目が始まり、五時間目が始まり、六時間目が終わり、帰宅しているときから、なんとなく、本当になんとなく常識的から、常識な社会から突き飛ばされることになった。



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