1話
異世界転生するお話です。
女性主人公で行きます。
この話は転生前です。
数日前からの豪雨が私の顔を打つ。
苦しい。
こんな所で死ぬなんて・・・。
手足を動かすことはできない。
全周囲から強く押しつぶされる感覚も消えていき、痛かった感覚も麻痺し、麻痺している感覚もおぼろげになってきた。
原因は雨で緩んだ地盤の土砂崩れ。
言ってしまえばそれだけだ。
土砂に埋められ、目も開けられない。
息苦しさが薄くなるとともに意識も混濁してきた。
全身の感覚が無くなってしまい、五感が全くない状態、魂だけに成ったような状態で真っ暗闇の中を漂っているかのようだ。
もうすぐ死ぬのだろう。
全身複雑骨折の生き埋めの割りに、死ぬ直前は痛みも息苦しさもなようだ。
意識が朦朧としつつも、つらつらとそんなことを考えながら死を待つ。
案外、死の直前に成ってしまえば受け入れられるものか。
苦痛が無いのが良いのかも。
真っ暗闇で少し怖いが、何処か落ち着くことができる。
たった20年と少しの半生だけど、振り返ってみれば色々あって面白かった。
友達と遊んだことは無論のこと、喧嘩したことも良い思い出だ。
いたずらをして両親に怒られたことも大切な思い出。
先立つ私になんて言うだろうか。
心配を掛けてばかりだったなー。
私、まだ死なないの?
助言、コメント等よろしくお願いします!