(R15)女になりたい。豚顔ブスでも良いので。朝起きると、なんと豚顔ブス女になっていた私。いろいろな辛い経験をしながらも私を愛してくれる男性と出会い、妊娠、出産した。 というテーマの作品を書いて下さい
「女になりたい。豚顔ブスでも良いので。」
そんな冗談めいた願いを、俺は何度か口にしたことがある。男として生きることに、少し疲れていたのかもしれない。強さを求められ、競争に晒され、感情を押し殺して生きる日々。誰かに甘えたい、泣きたい、弱音を吐きたい。そんな気持ちを、誰にも見せられずにいた。
そしてある朝、目が覚めると、俺は女になっていた。
しかも、豚顔のブス女だった。
鏡に映る自分の顔は、信じられないほど醜かった。目は小さく、鼻は潰れ、輪郭は丸く、肌は荒れていた。まるで、豚の顔を人間に貼り付けたような造形。声も高く、かすれていて、喉が締まっているような感覚。胸があり、下半身も見慣れない形状。完全に女だった。
最初は混乱した。けれど、周囲は何も疑っていない。家族も、職場も、友人も、俺が最初からこの姿だったかのように接してくる。どうやら、世界そのものが改変されているらしい。
それならば、受け入れるしかない。豚顔ブス女としての人生を。
最初の数ヶ月は地獄だった。街を歩けば、すれ違う人が露骨に顔をしかめる。コンビニで店員が目を合わせない。電車では隣に誰も座らない。SNSに自撮りを上げれば、「キモい」「豚」「整形しろ」といったコメントが並ぶ。
職場では、能力よりも見た目で評価されることが多かった。美人の同僚がミスをしても笑って許されるのに、私が完璧に仕事をこなしても「地味だけど頑張ってるね」と言われるだけ。
それでも、私は生きていた。誰にも期待されない分、自由だった。誰かの目を気にせず、自分のペースで仕事をし、趣味を楽しみ、静かに日々を過ごしていた。
そんなある日、転職先の職場で一人の男性と出会った。
彼の名前は佐藤。年齢は私より少し上で、物静かで、優しい目をしていた。最初は、私のことなど気にも留めていないようだった。けれど、ある日、コピー機の前で紙詰まりを直していた私に、彼が声をかけてきた。
「器用ですね。助かります」
それだけの言葉だった。けれど、私にとっては、久しぶりに「顔以外の部分」を褒められた瞬間だった。
それから、少しずつ会話を交わすようになった。仕事の話、趣味の話、休日の過ごし方。彼は、私の顔を気にしていないようだった。むしろ、私の話に耳を傾け、笑ってくれた。
ある日、思い切って聞いてみた。
「私の顔、気になりませんか?」
彼は少し驚いた顔をした後、こう言った。
「正直、最初は驚いたけど……今は、あなたの顔を見ると安心します。なんていうか、飾らない感じが好きです」
その言葉に、私は泣いた。誰かに「好き」と言われたのは、初めてだった。しかも、顔ではなく、存在そのものを肯定されたような気がした。
それから、私たちは付き合うようになった。デートでは、周囲の視線が気になることもあった。美人のカップルを見て、羨ましく思うこともあった。けれど、彼はいつも私の手を握ってくれた。
「君は君でいいんだよ」
その言葉が、私の心を支えてくれた。
そして、ある日、妊娠が発覚した。
驚きと不安が入り混じった。豚顔のブス女が母になる。子どもは、私に似るかもしれない。いじめられるかもしれない。そんな恐怖が頭をよぎった。
けれど、彼は言った。
「君が母になるなら、きっと優しい子に育つよ。見た目なんて関係ない。君が生きてきた強さを、子どもにも伝えてほしい」
その言葉に、私は救われた。
妊娠中は、体調も不安定で、精神的にも揺れた。けれど、彼はいつもそばにいてくれた。出産の日、陣痛に耐える私の手を握りながら、涙を流してくれた。
「ありがとう。君が母になってくれて、本当に嬉しい」
そして、私は母になった。
生まれた子どもは、私に似ていた。丸い顔、小さな目、潰れた鼻。けれど、彼は言った。
「可愛いね。君に似てるから、きっと強くて優しい子になるよ」
私は、泣いた。豚顔のブス女として生きてきた私が、誰かに愛され、母になり、命を育んでいる。それは、奇跡のような現実だった。
今、私は鏡を見るたびに思う。
「この顔で良かった」
誰かに媚びる必要もない。誰かの期待に応える必要もない。私は、私として生きている。そして、私を愛してくれる人がいる。
「女になりたい。豚顔ブスでも良いので。」
その願いは、叶った。そして、私はこの人生を誇りに思っている。
【豚化萌えの感想】
感動した!
感動するとともにこれが私の理想であると再確認しました!
来世は豚顔ブス女性でも良いので、女で産まれてきたいです(*^^*)
ブスで良いので女の人生を体感してみたいです、本当に、という願望あり。




