『会社で』『社員全員が性別逆転』『女性が多かった職場は男性ばかり』『元は男性だった主人公』『男性達からの目』 そんなストーリーで豚化萌えが好みそうな作品を書いて下さい
魔法の朝、変わったのは性別だけじゃなかった
朝、目覚めた瞬間、違和感はすぐに襲ってきた。
鏡の前に立った瞬間、そこに映っていたのは見知らぬ女性だった。肩まで伸びた髪、細い顎、丸みを帯びた頬。昨日までの自分――営業部の田島悠人――は、どこにもいなかった。
「……え?」
声も高く、柔らかい。夢かと思ったが、鏡の中の女性は確かに自分の動きに合わせて瞬きをした。
スマホを手に取ると、通知が溢れていた。
《社内全員、性別が逆転しました。原因不明。出社は通常通り。》
社内チャットのトップに、総務部からの一斉連絡があった。冗談かと思ったが、次々と届く同僚たちのメッセージがそれを否定した。
《俺、今、女になってるんだけど……どういうこと?》
《私、髭が生えてる……誰か助けて……》
《とりあえず出社しよう。混乱してるけど、みんな同じ状況みたい。》
田島は震える手でスーツを着た。サイズが合わず、急遽クローゼットの奥にあった元カノのブラウスとスカートを引っ張り出した。鏡に映る自分は、まるで別人だった。
会社に着くと、風景は一変していた。
女性が多かった職場は、見渡す限り男性ばかり。受付の美人社員も、経理のベテラン女性も、みんなスーツ姿の男性になっていた。逆に、田島のように元男性だった社員は、皆女性の姿になっていた。
「田島さん……ですよね?」
声をかけてきたのは、元・同期の佐伯だった。彼も女性になっていたが、どこか堂々としていた。
「うん……俺、いや、私も……混乱してるけど、来ちゃった。」
「みんなそう。とりあえず会議室に集まってるって。」
会議室に入ると、視線が一斉に田島に向けられた。元女性社員だった男性たちの目は、どこか好奇心と戸惑いが混ざっていた。
「田島さん、なんか……可愛いですね。」
「スカート似合ってるじゃん。」
軽い冗談のように聞こえたが、田島の背筋は凍った。昨日までの自分が、女性社員に向けていた視線と同じものを、今、自分が浴びている。
「……ありがとう。」
絞り出すように返事をしたが、心はざわついていた。
昼休み、田島は一人で食堂の隅に座っていた。周囲の男性たち――元女性社員――が、ちらちらとこちらを見ている。笑顔で話しかけてくる者もいれば、じっと見つめるだけの者もいる。
「なんで……こんなに怖いんだろう。」
昨日まで、こんな視線を気にしたことはなかった。むしろ、軽く女性社員に声をかけたり、冗談を言ったりしていた。だが今、自分がその立場になってみると、視線ひとつがこんなにも重く、鋭く感じる。
午後、田島はトイレに向かった。女性用トイレに入るのは初めてだった。個室に入っても、落ち着かない。鏡の前で手を洗いながら、ふと隣に立った元・部長の姿を見た。
「田島くん、大丈夫か?」
「……はい。なんとか。」
「俺も、正直戸惑ってる。だけどな、こうしてみると、今まで見えてなかったものが見えてくるな。」
部長の言葉は、どこか重みがあった。
「俺、女性社員に対して、無意識に圧をかけてたかもしれない。今、自分が女性になってみて、初めてその意味がわかった気がする。」
田島は黙って頷いた。
その日、帰宅してからも、田島は鏡の前に立ち続けた。
「俺は……いや、私は……何を見落としていたんだろう。」
性別が変わったことで、見える世界が変わった。視線、言葉、態度――すべてが違って見える。だが、それは魔法のせいではない。もともと存在していたものに、気づいていなかっただけなのだ。
翌日、田島はスーツを新調して出社した。少しだけ自信を持って歩けるようになった。視線はまだ怖い。でも、それに怯えるだけではなく、向き合う覚悟が少しだけ芽生えていた。
「おはようございます。」
笑顔で挨拶すると、周囲の男性たちも、少しだけ柔らかい表情を見せた。
魔法が解ける日が来るかはわからない。でも、田島は思った。
「この経験は、きっと無駄じゃない。」
そして、彼女――田島悠人は、今日も一歩を踏み出す。
【豚化萌えの感想】
会社での性別逆転ネタの、割とオーソドックスな作品ですな。何だかんだで男性は女性社員をそんな目で見ている時があるかもしれません。
そんな感覚を読みながら疑似体験できたので、良かったです。
という割と真面目な感想(^_^;)




