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社員全員が豚の顔になった。 主人公も豚の顔。 最初は社員全員が絶望していたが、徐々に受け入れて、終いには豚顔どうしの社員達が男女でペアを作って愛し合う。

 顔が変わっても、心は変わらない


 朝、目覚めた瞬間、鏡の中の自分を見て、主人公・村瀬は絶叫した。


「……ブ、ブヒッ!?」


 鏡に映っていたのは、紛れもなく豚の顔だった。

 丸く膨らんだ鼻、つぶらな瞳、ピンク色の肌。

 夢だと思いたかったが、頬をつねっても痛みはリアルだった。


 慌ててスマホを開くと、社内チャットは騒然としていた。


「顔が……豚になってる」

「どういうことだ!?」

「誰か元に戻す方法を知ってるか!?」


 村瀬は震える指で出社準備をしながら、ある人物のことを思い出していた。

 憧れの上司、30歳の美人課長・遠藤美咲。

 知的で優しく、凛とした佇まい。社内の誰もが一目置く存在だった。


「まさか……美咲さんも……」


 豚顔のオフィス


 出社すると、オフィスは異様な空気に包まれていた。

 社員全員が豚の顔になっていた。スーツ姿のまま、顔だけが豚。

 誰もがうつむき、言葉少なに席に着いていた。


 そして、遠藤課長も——豚の顔だった。


 それでも彼女は毅然としていた。

「……皆さん、冷静に業務を続けましょう」

 その声は、変わらず美しく、落ち着いていた。


 村瀬は思った。

「顔が変わっても、美咲さんは美咲さんだ」


 だが、社内の空気は重かった。

 昼休みには誰も会話せず、食堂では豚顔同士が距離を取って座っていた。


「こんな顔じゃ、誰にも愛されない」

「鏡を見るたびに絶望する」

「人間だった頃に戻りたい」


 そんな声が、あちこちから漏れていた。


 変化の兆し


 数日が過ぎた頃、ある変化が起きた。

 総務の佐々木が、豚顔のまま笑っていたのだ。


「いや〜、この顔も慣れると悪くないですよ。鼻が利くし、食事が美味しく感じる」


 その言葉に、周囲がざわついた。

「え、本気で言ってるの?」

「冗談だろ?」


 だが、佐々木は本気だった。

「人間の顔に戻れなくても、俺は俺だし。誰かに笑われても、俺はこの顔で生きていく」


 その姿勢に、少しずつ共感が広がっていった。


 村瀬も、ある日ふと気づいた。

 美咲課長が、豚顔のまま資料を読みながら微笑んでいた。

 その笑顔は、以前と変わらず優しかった。


「……美咲さんは、やっぱり美しい」


 豚顔の恋


 ある日、社内で「豚顔ペアランチ会」が開催された。

 社員同士がランダムにペアを組み、昼食を共にするという企画だった。


 村瀬の相手は——美咲課長だった。


 緊張で鼻が震えそうだったが、美咲は穏やかに言った。

「村瀬くん、最近よく頑張ってるわね」

「いえ……課長こそ、いつも冷静で尊敬してます」


 沈黙の後、美咲がぽつりと呟いた。

「この顔になってから、誰かに褒められることが減ったから……嬉しい」


 村瀬は思わず言った。

「僕は、課長の顔が豚でも、心が変わらないことが一番素敵だと思います」


 美咲は目を見開き、そして笑った。

「ありがとう。村瀬くんも、いい顔してるわよ。豚だけど、優しい顔」


 その瞬間、村瀬の胸が高鳴った。

 豚の顔でも、恋はできる。

 心が通えば、顔なんて関係ない。


 豚顔の未来


 それから社内では、豚顔同士の恋愛が増えていった。

 ・営業部の田中と経理の山口が交際宣言

 ・人事の井上と広報の高橋が社内結婚

 ・「豚顔カップル写真展」が開催され、笑顔の豚顔が並んだ


 村瀬と美咲も、週末に一緒に散歩をするようになった。

 豚顔のまま、並んで歩く二人。

 周囲の視線も、もう気にならなかった。


「顔が変わっても、心が通じれば、愛は生まれる」

 それが、社員たちの新しい価値観になっていた。


 そして、村瀬は思った。

「この顔で生きていくのも、悪くない」

 隣で笑う美咲の顔は、豚でも、世界で一番美しかった。




 豚化萌えの感想


 社員全員が豚の顔。良いですね〜。

 可能なら当社の社員全員も急に豚の顔になってほしい。


 最初は絶望する社員も出るかもしれませんが、徐々に受け入れるというものです。

 いつまでも悩んでいても仕方ありませんからね。


 とはいえ豚顔すぎるので一般人との恋愛はなかなか難しい。そこで同じ豚顔である社員達どうしで恋が始まる。それが自然な流れですよね。


 そんなん、本当に理想ですよ。


 本当、急に社員全員が豚の顔になってしまったって状況。希望しています。

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