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日本の少子化対策として、国の繁殖プロジェクト(顔は豚顔になって、繁殖力が亢進する注射を打たれる)に応募した男女のその後と、国家のその後について

 指示内容詳細


 少子化の進む日本。国の政策として、子づくりをそれぞれの自由意思には委ねずに、子づくりに参加する男女の立候補制とする。その制度に立候補した男女の妊娠、出産、子育ての一連の流れを手厚くサポートする。男女比は1対10。女性は妊娠したら子づくりはいったん休止となるが、男性は代わる代わるいろいろな女性に週1回程度、種を入れるためだ。その仕組みに立候補した男女は大金を得られる反面、他の男女と区別をつけるために顔を豚の顔に変えられてしまう。また男女ともに養豚場の豚のように繁殖力を亢進させる成分の薬剤が注射されて、1回の出産で3つ子以上は当たり前の出産能力となる。国の指示や監視のもと定期的に豚顔の男女は繁殖活動を行い、日本は順調に子どもの数を増やしていく。その間、特に男性の方は業務として行わなければならない子作りに虚無感を感じていく。女性の方はまだリアルな出産という体験があるが、男性は女性に種を入れるだけなので。



 生成作品


『繁殖特区の男たち』


 序章:国家の決断


 2055年、日本は出生率0.6という未曾有の危機に直面していた。高齢化は限界を超え、若年層は消滅寸前。政府はついに「繁殖立候補制度」を導入した。


 この制度は、子づくりを自由意思に委ねることを放棄し、立候補した男女に国家主導で繁殖活動を義務づけるというものだった。立候補者には多額の報酬が支払われるが、顔は豚に似せた整形手術を施され、一般市民と区別される。


 さらに、男女ともに繁殖促進薬「ブリードX」が定期的に注射される。女性は多胎妊娠が可能となり、男性は精子量と性欲が異常に増加する。出生数は急激に回復し、日本は「再生国家」と呼ばれるようになった。


 だが、その裏で、繁殖特区に収容された男たちは、静かに心を失っていった。


 ---


 登場人物:ユウタ


 ユウタは32歳の元営業マン。会社の倒産と家族の病気で生活が破綻し、繁殖制度に立候補した。彼は「金さえあれば、家族を守れる」と信じていた。


 特区に入ると、まず顔の整形が行われた。鏡に映る豚顔に、ユウタは笑うしかなかった。「これが俺の新しい人生か」と。


 その後、ブリードXの注射が始まった。体は熱くなり、性欲が異常に高まった。週に一度、指定された女性と交配を行う。女性は10人に対して男性1人。妊娠した女性は一時的に交配を休止するが、男性は次の女性へと移る。


 ユウタは、毎週違う女性と交配を繰り返した。監視カメラの下、無言で行われる性交。感情は不要。義務としての繁殖。


 ---


 虚無の始まり


 最初の数ヶ月、ユウタは報酬に満足していた。家族に送金し、生活は安定した。だが、心は次第に空洞になっていった。


「俺は何のためにここにいるんだ?」


 女性たちは妊娠し、出産し、子どもを育てる。彼女たちには「母」としての役割がある。だが、ユウタには何もなかった。彼の役割は「種を入れること」だけ。子どもたちの顔を見ることもなく、名前を知ることもない。


 交配は業務。感情は排除される。彼はただ、国家の命令に従って体を動かすだけだった。


 ---


 他の男たち


 ユウタは、同じ特区にいる男たちと話すことがあった。彼らも同じように虚無に沈んでいた。


「俺たちは豚だよ。顔だけじゃない。心まで豚にされてる」


「女はまだいい。子どもを抱ける。でも俺たちは、ただの精子製造機だ」


 中には、精神を病んで交配を拒否する者もいた。彼らは隔離され、薬剤の投与が強化された。ユウタは恐怖を感じた。「拒否すれば、もっと豚になる」


 ---


 ある女性との出会い


 ユウタはある日、交配相手としてリサという女性と指定された。彼女は28歳、元教師。落ち着いた雰囲気で、交配後もユウタに話しかけてきた。


「あなた、名前は?」


「ユウタ…です」


「私はリサ。あなたの子どもを産むかもしれない。だから、あなたのことを知りたい」


 ユウタは戸惑った。これまで、交配後に会話をすることなどなかった。だが、リサの言葉に、何かが揺れた。


「俺は…ただの豚です。名前なんて意味ない」


「違う。あなたは人間よ。顔がどうであれ、命をつなぐ人間」


 その言葉に、ユウタは涙を流した。豚顔の頬を伝う涙は、誰にも見せたことのない感情だった。


 ---


 出産と再会


 数ヶ月後、リサは三つ子を出産した。ユウタは特区の規則を破り、保育室を訪れた。監視員に止められながらも、彼は子どもたちの顔を見た。


「俺の…子どもか」


 リサは微笑んだ。


「あなたの命が、ここにある」


 ユウタは初めて、自分の役割に意味を見出した。彼は豚ではなかった。彼は「父」だった。


 ---


 終章:制度の中の人間性


 ユウタはその後も交配を続けた。だが、心は変わっていた。彼は毎回、相手の名前を聞き、話をした。制度の中で、少しでも人間らしさを取り戻そうとした。


 特区の外では、日本の出生率は回復し、社会は再び活気を取り戻していた。だが、誰も特区の男たちのことを語らなかった。


 ユウタは思った。


「俺たちは、未来をつくった。でも、その代償は誰も知らない」


 彼は豚顔のまま、静かに交配室へ向かった。そこには、また新しい命が待っていた。




 豚化萌えの感想


 日本の少子化対策、正直これしかないと思います。出産を自由意思に任せるのではなく、一定の人間だけが行うものとして国が管理してしまう。それで理想は本作のように豚のような繁殖力へ。


 ま、豚のような繁殖力は難しいとしても、本当に少子化対策をする気があるのであれば、国で管理するしかないですよとしか思っておりません。

 本作のような豚顔化とか薬剤注射までいかないにしても、何らかの管理するシステムがないとね。


 それをしないのであれば、少子化対策と声高に叫ばずに、人口減少の中、何ができるか。何を大事にすべきかを考えていった方が良いと思います。

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