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ブレイズ


ライズ「うっ……」



ライズは白いベッドの上で目を覚ました。



ライズ「……くっ!」



ライズは身体を起こして辺りを見渡そうとするが、肩の傷が痛んだ。



ライズ「ここは……」



ライズはとりあえず辺りを探索しようと思った。



早速ベッドから立ち上がり、部屋から出た。



部屋を出ると高級な赤い絨毯がどこまでも敷かれていた。



ライズ(うわぁ……歩きにくいな)



ライズはその絨毯を避け、廊下の端を歩いた。



しばらく廊下を歩いていると……



「あ、君君!」



水色の髪をした女性が後ろから声をかけて来た。



「君、たしかあの村の逝き残りだよね?駄目だよ勝手に出歩いちゃ!」



ライズ「あ……すみません」



見た目は幼く見える女性だったが、言葉には覇気があった。



ナイア「まあいいよ。私はナイア・ガラドールあなたの名前は?」



ライズ「ライズ・エクシードです」



ナイア「そうライズ君、怪我もまだ治りかけでしょ?大人しく医務室に帰りましょ」



あえなくして、ライズはナイアに医務室に連行させられた。



ナイア「で、ライズ君。奴らが村に攻めてきた理由は分かる?」



ライズ「いえ。いきなり襲われたので理由は……」



ライズは医務室に戻され、ナイアに事情聴取をされていた。



ナイア「じゃあ他に生存者は?私達が駆け付けた時には、もう村に生存者はあなたしか見あたらなかったんだけど。もしかして森に逃げた人が居るとかない?」



ライズ「いいえ……俺以外は多分だれも…………いや、姉さん?姉さんが居たはず!!」



ガッ!



ナイア「ちょっ!?」



ライズ「姉さんは!?姉さんはどうしたんですか!!」



カチーン



次の瞬間、ライズの手が凍り付いた。



ライズ「!?」



ナイア「落ち着きなさい」



ナイアにそう言われ、ライズは冷静さを取り戻す。



すると、ナイアが氷の魔法を解いてくれた。



ナイア「女性が一人、竜人族に拉致されたという話は聞いたわ」



ライズ「それって……」



ナイア「落ち着いて最期まで聞いて。その人があなたのお姉さんという保証はないわ」



ライズ「けどそれは、間違いなく姉さんだと思います!僕は見ました!竜人族に姉さんが連れ去られたのを!」



ナイア「はぁ……。まあどちらにしても、操作は進めるから。何かわかったらまた教えてあげるわ」



そう言ってナイアは部屋を立ち去ろうとする。



ライズ「待ってください」



ナイア「なに?まだ何かあるの?」



ライズ「俺を助けてくれた人……あの黒い翼の人は誰ですか?」



ナイア「……………………精鋭部隊第一番隊隊長、ブレイズ・ローサルト・スパーダよ」



最期にそう言って、ナイアは部屋から出て行った。



ライズ「ブレイズ・ローサルト・スパーダ……」



その名を呟き、ライズは決意した。



ライズ「会って話を聞こう」



ライズ「う~んなかなか見付からないなぁ」



ライズはブレイズを探していた。



だが部屋の外の宮殿は異常に広いため、なかなかそれらしい人物に会えない。



と、そこに赤い髪のロングコートを着た男性が横切った。



ライズ「あのすみません!」



「ん?どうした?」



ライズ「精鋭部隊第一番隊隊長のブレイズって人を探してるんですけど……知りませんか?」



「ああ、アイツならそこの角を曲がって、その先の角を右に曲がって真っ直ぐ行って階段を登った先にいると思うが」



ライズ「ありがとうございます!では」



一礼してライズは男の言った道を辿った。



そしてライズは黒い扉の前にたどり着いた。



ライズ「失礼します」



ノックをして扉に手をかける。



ライズは扉を開けた。



扉の先には豪勢な部屋があった。



そして、窓の手前でその人物は椅子に腰掛け外を見ていた。



ブレイズ「傷はもういいのか?」



ライズ「いえ、まだ治っていませんけど…………それより、他に居た生存者が拉致されたって聞いたんですけど、本当なんですか!?」



ブレイズ「ああ。……竜人族の連中に連れ去られた」



ライズ「それ俺の姉なんです!なんとかして助けられないんですか!!」



ブレイズ「必ず助ける。それは約束してやる」



ライズ「良かった!ありがとうございます!」



ライズは深々とお辞儀をした。



ブレイズ「それよりお前、名前は?」



ライズ「ライズです。ライズ・エクシード」



ブレイズ「ライズか。お前、身よりは居るのか?」



ライズ「いえ……。その、俺本当は孤児なんです」



ブレイズ「……そうか。悪いな、こんな事聞いて」



ライズ「いえ……」



ブレイズ「代わりと言ってはなんなんだが、しばらくこの宮殿に居るといい。部屋は上の連中に掛け合って用意しておく」



ライズ「ありがとうございます!」



そして、すぐにライズの部屋が用意された。



ライズ「うわぁ」



ライズの部屋はブレイズの部屋同様豪勢だった。



ブレイズ「悪いな。他にまともな部屋で空いてるのがなかった。だから俺の部下と相部屋って事になるが、それでも構わないか?」



ライズ「はい!その……ありがとうございます!」



ブレイズ「いや、気に入ったならそれでいい」



ライズ「はい。……あの……ブレイズさん」



ブレイズ「なんだ改まって?」



ライズ「その、俺もブレイズさんの仲間にして欲しいんです!駄目ですか?」



ブレイズ「…………駄目だ」



ライズ「どうしてですか!?俺は竜人族に村を焼かれ、姉さんを連れてかれたんですよ!?竜人族が憎いんです!だから復讐したいのに、なんで!!」



ブレイズ「……本当に、竜人族が全て悪いのか?」



ライズ「え!?」



バンッ!



急に扉が開かれ、男性が飛び込んで来た。



「緊急事態です!ブレイズ隊長、至急会議室へ!!」



ブレイズ「そういう事だ。……悪いな」



そう言ってブレイズは部屋から出て行った。



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