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プロローグ
「……意外といっぱい集まったね」
青い髪をした女性が、崖から向かって来る竜人族の軍隊を見下ろしていた。
その数は目測でも大体一億は居た。
「大丈夫だ。あいつがいればどうにでもなる」
強い赤い髪をした男性がそう言いながら向かって来る竜人族のすぐ先を指差した。
そこには六枚の漆黒の羽を持った男性が立っていた。
「私たちまたまた出番無し?」
「……だろうな」
「止まれ!!」
軍隊の先頭に居た男が一億人の兵士を止めた。
「そこを退け!我々はこれから魔族の住む都、ナイチンゲールに向かうつもりだ!退かないのなら斬るぞ!!」
「………………………………………………………………」
六翼の男は何も言わなかった。
次の瞬間手を前に翳し、その手の中に刃渡り1.5メートル程の剣を取り出した。
「貴様!?」
男は慌てて剣を抜くが間に合わない。
次の瞬間六翼の男の目の前には一億人分の血溜まりが出来ていた。