第9話 ■■する■■■
『『『『『『『『『『ッッッッ!?!?!?!?!?』』』』』』』』』』
突然驚愕の展開が起きた事で、目の前にいる俺の同類――異世界転生者共は目を丸くした。
まさかここで助っ人を呼ばれるとは誰も思わなかっただろう。
そしてそれは大きな隙へと繋がったため、俺は先ほどの同類共のように容赦なくみんなに「あいつらは俺が前世で生きてたこの世界を壊そうとするヤツらだ!! このままじゃ俺はこの世界ごと壊される!! みんな、一緒に戦ってくれ!!」と頼み込んだ。
ウソは言っていない。
ていうか半分シャレにならない。
このままじゃ本当に俺の生きてた世界も壊れる。
「メホメホメホ!! お前との仲じゃないか」
「ヌロロロロッ!! 気にしなくても大丈夫じゃい」
「ザカカカカッ!! お前の敵は俺の敵だぜ」
「マホマホマホ!! どっちみち正義の血が騒ぐわいな」
「ヴァッカッカ!! とっとと始めようぜ!!」
みんなすぐに戦闘態勢に入ってくれた。
かと思えば、すぐに自分と同じような能力を持つであろう異世界転生者を見極め向かってくれた!!
「メホメホメホ!! 良い筋肉じゃないか~!!」
「ヌロロロロッ!! 踏み込みが甘いわぁ!!」
「ザカカカカッ!! ライド、オン!! ハイペリオン・レイザー!!」
「マホマホマホ!! ゲンソーチェンジ、タイプ:ウルリム!!」
「ヴァッカッカ!! モンスデュエル、レディー・ゴー!!」
英雄国家『マッシビアン』で出会ったヒーローにして英雄流格闘術の創始者ことオリジンマン、超能力者などの特殊能力者や怪異関連事件が多い超常世界『ラー・ルーフォス』の神話の中で語り継がれる武神のモデルとなったシンザエモン、宇宙に進出した地球人が外宇宙で作った国家こと『ネロ・ジェナス』で日々ならず者を取り締まってる、巨大ロボット『ハイペリオン・レイザー』のパイロット、ローノ巡査、魔法世界『ウヌルス』で起こったクーデターにより無魔法世界『ロビノス』に散らばってしまった『ウヌルス』の秘宝『アスペンシュトの瞳』を集めるために『ロビノス』にやってきた魔法少女メノリ、いくつか回った、実体化させたカード内のモンスターで戦い合う系のカードゲームの世界の一つ『リグノシア』にて流行してるカードゲーム『幻想神話録-ファンタージェンス・マイスタ-』の世界大会の初代優勝者ことケン、その他にも数多くいる、俺が異世界を巡る中で知り合い、仲間となった人達が、異世界転生者共に立ち向かう!!
ちなみに、彼らを召喚したワケじゃない。
イリュージョンという技名から分かる通り、彼らは幻想。
ただし、俺の力で生み出した半実体の仮の肉体に、異世界にいるみんなの記憶と人格を転写した疑似魂魄を入れる事で生み出した、いわば分身だ。
だがしかし、その強さはオリジナルに引けを取らない。
「ミョホ!? ば、馬鹿な!? 技が返されて!?」
「ユラー!? な、なぜ倒れない!?」
「ラファ!? こ、こいつ……飛び方を知ってやがる!?」
「ラキィ!? な、なんで通じないの!?」
「ルフォ!? な、ななななんだそのカードは!?」
それぞれがそれぞれの相手を圧倒する。
まぁ、それはそれとして……俺は俺で相手をしないと。
「さぁどっかの世界の勇者くん、俺が相手だ」
「ギャガ!? な、ナメんなぁ!!!! 闇爆滅葬!!!!」
またあの技か。
同じ手が二度も通じるかッ。
「というか、技名をわざわざ叫ぶなよ。対処できちゃうだろ」
そう言いながら、俺は指パッチンをした。
と同時に、勇者風の男の周囲に虹色をした半球状の障壁……いや、正確には違うな。それは勇者風の男の足元の土の中にまで広がった球状の障壁だ。
俺がとある世界で習得した三大防御魔術の一つである。
その世界の師匠が言うには惑星破壊級の攻撃をも防ぎきるそうだ。
ちなみに補足として、今回の戦いにはその師匠にも参戦していただいている。
師匠はすでに百人以上の異世界転生者を気絶させていた。
我が師匠ながら、本当に同じ人間なのかといつも疑問に思う。
まぁ、今の師匠は分身だけど。
「ギャガアアアアアアアアッッッッ!?!?!?!?」
自分の発動した空間破壊系魔術がそのまま自分に返り、勇者風のヤツはこれでもかと大きい絶叫を上げた。
強い力だけじゃ相手を倒せない、その良い事例だな。
さて、それはそれとしてだ。
勇者風のヤツはそれなりに防御系の魔術も使っているだろう。
そう簡単に死にゃあせんだろ。
そんで可能であれば、そんな勇者風のヤツを始めとする連中から魔術などを剥奪した上で、それぞれを元いた異世界へ強制送還しなければ。
俺のように、基本的にチートスキルを使わないヤツならともかく。
連中のような、下手をするとこの世界を壊しかねない異世界転生者はこの世界にいてほしくない。
「…………ギャ、ガ……ま……だ、だぁ……」
「ッ!?」
なんて思っていたんだが……驚くべき事が起きた。
勇者風のヤツの体は二割くらい欠損していた。
だがしかし、血が一滴も流れないどころか……まるでカメラの逆再生のように、少しずつ体が復元されていった。
まさかこいつ……!?
「ミョホッ……まだ、倒れる……ワケにはァ」
「ユ、ラァ……まだま、だ……死ねぬゥ」
「ラ、ファぁ……仲間の、命を……背負って、るんだッ」
「ラキぃ……クソ女神……アンタをォ」
「ルッフォ……百、億万……回……殺じで……ぐれるゥ」
いやそれどころか。
一度は倒れた連中までもが再び立ち上がった。
『『『『『『『『『『ッッッッ!?!?!?!?!?』』』』』』』』』』
今度は俺達が驚く番だった。
いくら女神様に恨みがあるとはいえ……そこまでのダメージを食らってもなお、戦意が削がれないなんてッ!!
『『『『『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッ!!!!!!!!!!』』』』』』』』』』
異世界転生者共が、再び立ち向かってくる。
その体から、血を流しつつ、そして俺達がドン引きするほどの、殺意という名の暗黒オーラ……もはや世界を破壊しかねない出力のそれを立ちのぼらせながら。
しかし、俺達は戦わなくてはならない。
下手をすればこの世界が破壊されかねないから。
そして、俺の場合はそれに加えて……たとえ俺の知る女神様がこいつらを不幸にしたとしても、天塚さんは、俺の睡眠魔術が通用したところからして、その女神様じゃないんだから。
そんな彼女を護るためにも、俺はこいつらを殺してでも止めなければ――。
「ここまでの事をやって、天界が動かないとでも思いましたか」
――そして、ついに再び激突しようとした時だった。
俺は、どこかで聞いたような声を聞いた。
この戦場にはまったく似合わない呆れ声だった。
「タイム・イズ・マイン」
かと思えば……今度は何かの呪文が聞こえ。
その次の瞬間、この結界内の全ての動きが停止した。
ば、馬鹿な!?
現在張られてる結界を破壊しかねないほどの力を身に付けた、俺を含めた異世界転生者を止められるほどの存在なんて……もはや神しか――!?
「やれやれ。下天申請って思ったよりも時間かかるんですよ」
次の瞬間。
まさかの人物……いや、ヒトと分類していいのかどうかはまったく分からんが、人間の体だから人物と言うが…………とにかく、まさかの人物――俺が女神様から感じたのとは別の神気を身に纏った、俺に対し、天塚さんに近づかないよう警告をしたクラスメイトが俺の隣に登場した。
名前は知らんッ!!
「おっと、そういえば自己紹介がまだでしたね」
クラスメイトは、俺の思考を読んだのかそう言うと、改めてここで登場した訳を話し始めた。
「私は神々のいる高次元『天界』に存在する異世界転生・転移を管理する管理局の監察官です。どうも私の同僚……あなたが女神様と呼ぶ存在が絡んだトンデモない事件が発生したようで。その背景を調べてる中で、この世界で起きてる事件を知りました。いきなりで悪いのですが、状況説明と事情聴取を行いたいので、しばらくの間……時間を停止させたまま話を進めさせていただきますね」
【読者への挑戦状】
さてみなさん。
こちらの作品にもいよいよやってきました。
みなさんに【読者への挑戦状】を叩きつける時が。
もう一つの作品では言い忘れましたが。
初めての【読者への挑戦状】なので私ドキドキしています。
それはともかく。
もう一つの作品同様、次回からはいよいよ解決編です。
解決編の投稿時期も、もう一つの作品と同じく来月を予定してます。
そして、本作において解いていただきたい謎は以下の二つです。
・天塚さんは何者なのか
・そもそもの事件の原因は何なのか
ちなみに事件の原因は一つじゃありません。
人によっては分かる原因にしている……つもりです(ぇ
とにかく、もう一つの作品と同じくそれなりにヒントは出しました。
もしかすると初めて故に至らぬ点もあるかもしれませんが、読者のみなさんにはこの謎解きを楽しんでいただきたい所存です。